むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
で始まる昔話といえば、ご存じ「桃太郎」。
日本人なら誰でも知っているといっても過言ではない。
そして“桃太郎伝説の地”と呼ばれる場所は、全国津々浦々にある。
有名なのは、岡山県と香川県。
岡山県ではきびだんごを県の銘菓として売り出しているほか、岡山市の愛称を「桃太郎市」としている。
また、香川県は、女木島に鬼が住んでいたかと思わせる大洞窟があり、別名「鬼ヶ島」とも呼ばれている。
このように、岡山・香川どちらも「桃太郎はうちのもんや!」と火花をバチバチと散らしている状態だ(……と思う)。
今回訪れた愛知県犬山市の桃太郎神社も、我こそは「桃太郎生誕の地」だというのだ。
神社は、国宝犬山城から木曽川沿いに3kmほどさかのぼったところにある。
桃太郎伝説の由来をはさみながら、強烈すぎる世界観が広がる境内を紹介していきたいと思う。
一の鳥居をくぐると……
現れるのが家来となるこのお三方「サル・キジ・イヌ」。
きびだんごを手に持ち、意気揚々のサル
|
二足歩行が違和感ありまくりのキジ |
遠い目をしたイヌ |
そして次に現れるのが、物語の冒頭シーンである、桃を持ち上げるおばあちゃんの姿。
もうこの際ストーリーの順番通りに展開されていないなどという指摘はどうでもいい。
毎日川で洗濯をしていたおばあさんの足跡が岩に残っているそうで、木曽川岸からこちらに移動してきたそうだ。
そして二の鳥居目前にして、ついに……
パッカーン! と桃太郎誕生である。
鳥居をバックにしたあまりにも不可思議な光景に、ただただ息をのむばかりだ。
ちなみに、二の鳥居をくぐり石段をのぼっていくと途中にしばかりから帰って来たところと思われるおじいさんと遭遇する。
のぼりきると左手に桃の形をしたピンクの鳥居が現れる。
ピンクの鳥居というのは全国的にも非常にめずらしいそうだ。
ピンクの鳥居を取り囲むように立っているのは、またもや家来のお三方。
さらにこんな但し書きが。
「桃形鳥居をくぐれば悪は去る(サル)病は居ぬ(イヌ)災いは来じ(キジ)」
うまい!
座布団2枚ぐらいはあげたいところだ。
まだまだ広がる桃太郎ワールド
まだまだ終わらない。あんな場面も、こんな場面も再現されている。
おじいさん&おばあさんによってきびだんごが作られているところ |
家来たちが見事に鬼を退治し、喜んでいるところ。 逆に鬼は泣いている。意外とナイーブな心の持ち主なのか? |
背中に乗っても怒らないよ。だって改心したから |
そしてついに桃太郎とボス鬼(?)の直接対決が!
どうやら桃太郎が勝利をおさめた模様。
バカ殿のように顔が真っ白。 あまり強そうに見えないのは私だけ? |
勝利をおさめた一行は、鬼ヶ島から宝物を持ち帰った。
その際、宝物を積み上げて置いたとされる場所が、木曽川の対岸にある「宝積寺(ほうしゃくじ)」だ。
人々はこの地に宝物の見物にやってきては桃太郎を讃えたという。
ほかにも、桃太郎が乗った船がやってきたと見張りの鬼が仲間に知らせた場所が「今渡村」、岩陰から突然現れた鬼と桃太郎がとっくみあいをして戦ったところが後に「取組村」、鬼退治の凱旋祝いをしたところが「坂祝(さかほぎ)村」になったなど、界隈は桃太郎由来の地名も多い。
さらにディープな宝物館
境内には、「宝物館にいろいろな物が展示されているので、話の種に見に行くことをおすすめします」という旨の但し書きをよく見る。
そこまで言うのであればと、入館料200円を払って見ていくことにした。
こういう類のものに「まあまあ良かった」というものはない。
当たりかハズレかのいずれかだ。
ドキドキしながらドアを開けた。
すると、中には珍品のオンパレード!
桃太郎いろいろ |
山車に乗るイヌ3匹と大きな桃 |
鬼が持っていたとされる金棒 |
秘宝館的な場所に必ずありますね |
鬼の子のミイラ…… |
紹介したのはごくごく一部ですが、200円でこの内容いかがでしょうか?
個人的には十分楽しませていただきました。
神社を出る頃にはすっかり鬼を退治した気分に。
たまには日常を離れてこんな異世界に身を置いてみるのもいいのではないでしょうか。
桃太郎神社
愛知県犬山市栗栖字古屋敷
☎0568-61-1586
(teamまめ/香取麻衣子)
おまけ
「桃太郎からのお願い!! ゴミは持ち帰えりましょう」 桃太郎さん、間違ってますよ! |
0 件のコメント:
コメントを投稿