2013年2月26日火曜日

海外産のSAKE(日本酒)を試飲してみた!

「い日本酒は、史上最高水準にある」という。
材料や技術が向上し、作り手の意図のある酒づくりが可能なり、
日本酒はいま、百花繚乱に咲き誇る時代を迎えているのだ。

……と、いう名目で、いまこそ日本酒飲んどかないとっ!

わたくしも、
数年前から意識して日本酒を飲んでみると、
次から次へと飲みたい銘柄が増え続けておりまして、これがかなりおもしろい!
まだまだ実習(=飲み)と知識を重ねないと、ですが、
日本酒ってたんなる“嗜好品”にはおさまらない輝きがあるなぁと感じます。

前置きはこれくらいに、
今回は、日本酒ジャーナリスト・松崎晴雄さん主催「海外産のSAKE(日本酒)」試飲会のレポートです。
イベントは東京・表参道のビーガンカフェ「ピュアカフェ」にて。オーガニック野菜や豆を使ったお料理が用意された。
















日本酒の人気は世界的に湧きあがっていて、現在、海外にもマイクロブルワー清酒メーカーができはじめているのだとか。
松崎氏によると、海外の清酒メーカーの盛り上がりはおおまかに3つの期にわかれるという。

第 1 期 : 1970年代後半~1990年代

日本企業の進出にともない、おもにアメリカに清酒メーカーが設立。
月桂冠、大関、松竹梅など日本人が主導の酒造り。純米酒や比較的スタンダードなお酒。
ターゲットは在留日本人や日本食レストラン。

第 2 期 : 1990年代後半~

日本企業が現地の会社と合併。ベトナムやオーストラリアなど。
どちらかというと高級酒。
第1期のお酒とは一線を画す。

第 3 期 : 2010年~

海外に小さな蔵、マイクロブルワリーができ始める。
クラフトビールと同じような感覚で、醸造の知識を持っている現地人が酒造りの中心。
独学で作ったり、勉強して作ったり。いわばベンチャー型。


当日は、海外産の日本酒10種を味わうことができました。

以下に銘柄、産地、アルコール度数、作りを。

①「WHOOPING CLANE」(アメリカ・テキサス州産) アルコール度数16度 特別純米

②「g sake」(アメリカ・オレゴン州産) 18度 純米吟醸原酒
①②ともに、ボトルもちょっと洋酒っぽい? ①はテキサスのオーガニック米、水が使われている。


















③「MOMOKAWA ORGANIC」(アメリカ・オレゴン州産) 14.5度 純米吟醸
④「北の泉 DEMODOEIMUSUME」(カナダ・トロント産) 15度 純米生貯蔵酒
④はウィスキー工場の跡地を利用した醸造所で醸されている。



⑤「裸島」(ノルウェー産) 17度 山廃にごり 生酒 純米
⑥「裸島」(ノルウェー産) 16度 山廃無濾過 純米
⑦「裸島」(ノルウェー産) 19度 しぼりたて 
⑧「裸島」(ノルウェー産)  スペック不明





















ノルウェー産、ちょっと変わった名前の「裸島」。1800年代の古代ノルウェーの詩に登場する島の名前で、現地の人々にとってはとてもロマンティックな言葉なのだとか。ちなみに醸造所名は「Nogne(ヌグネ)」という。松崎氏は「“裸”で“脱ぐね”!」。……くくく(笑)






⑨「初霧」(台湾・台中産) 純米吟醸
⑩「雪花」(韓国産) 吟醸?


感想はいうと、なんというか、、、“帰国子女”的です。
①は酸がとっても強くて、「ふくよかな米の旨み」とは無縁。
②はキレがあって、アルコール度の強さを感じる。
④は酸が口に残ってちょっとワインっぽい。
⑤は少し発泡したピチピチ感があって、にごり酒好きの自分としてはとても好き!
⑦もちょっとワインぽい。
⑨は中国の白酒(パイチュウ)みたいだし、⑩は真露のような蒸留酒っぽい印象。
(※注:素人の率直な意見です)

「日本酒」という感覚で飲むと、「あれ?」と感じるけれど、
現地の米や水で作られているのだから、それはそれで興味深い。


当日は、「相模灘」(久保田酒造・神奈川県)や「大洋盛」(大洋酒蔵・新潟県)のお酒、そのほか日本の変わったお酒10種も登場した。

















当日いらしてた、①「WHOOPING CLANE」(アメリカ・テキサス州産) の現地取材に行かれた記者の話によると、
「僕も初めて飲んだ時は『!??』という印象だったけど、現地の料理、タコスやトルティーヤと合わせると、
これが結構合うんですよ! あの乾いた空気感の下では、この味が不思議としっくりくるんです」


へ~~~~~! 
幸い、試飲会で余ったお酒をいただくことができたので、さっそく食べ合わせの実験をしてみた。
料理は取り急ぎ、コンビニでそれっぽいものを調達……(汗)
ジャンバラヤ(ケイジャンチキン)、ブリトー(ハムチーズ)、チリドッグ、タコス。

WHOOPNG CLANEは、やや黄色い色味を帯びている。


パクリ。
グビリ。
おおっ!
たしかに単一で飲んだときとは、印象がまるで違う!!
まったく甘さのない飲み口、ドライな飲み口がスパイシーな料理となかなか好相性ではないかっ! 気になっていた酸味は消え失せ、カラリとした後味が爽快だ。


ついでに日本産日本酒(という言い方もヘンだけど、こうなる…)の冷酒「相模灘 純米吟醸」(神奈川県産)ともあわせてみた。


相模灘は丹沢山系の清冽な水で仕込まれる。
意外や、エスニックと飲んだことはないけれど、これはこれでうまいですー。ぐふふ。
というか日本酒って、もっと自由に食べ合わせて、飲んで、いいものなのか?








海外で日本酒がどんなふうに理解されて、どんなものが生まれてくるのか、興味津々。
それって、国産の日本酒をも新鮮な目で見直すきっかけになるのかも。

それにエスニック料理との新たな食べ合わせは、たのしい発見に広がりにつながった。
チリビーンズフィッシュ&チップス、サーモン料理、ルーロー飯、焼き肉……
カタい先入観はポポイッと捨てて、まずはお気に入りの日本酒といろんな料理との相性を楽しんでみようと思う。

(teamまめ/沼 由美子)