2019年7月30日火曜日

富士山の麓の町でほっこり。民家系吉田うどんを訪問!

うどんの町といえば、今や讃岐がダントツの知名度を誇るが、東京から車でもバスでも電車でも1時間半ほど行けば、「吉田のうどん」の里・富士吉田市へたどり着く。ここは富士山麓の町。河口湖をはじめとした富士五湖があり、北口本宮冨士浅間神社など、霊験あらたかな神社も点在する風光明媚な場所だ。山梨といえば「ほうとう」に目がくらみがちだが、うどんだって負けてないのだ!

吉田のうどんマップってのが配布されていて、これを見る限りだけでも、50件がしのぎを削るうどん激戦区。マップに載っていないお店も、もちろんあるから、一体何件あるんだろう。

吉田のうどんは民家の玄関に暖簾を下げて、お宅で食べる雰囲気もいい。
と、昔聞いた記憶があり、その佇まいを求めて、マップやいろんな情報を見比べ、目を皿にようにして探してみると、おぉ、あるじゃないか!
向かったのは『手打ちうどんしんたく』だ。



どうですか!この佇まい。まさに民家! 玄関に暖簾を下げている間は営業中。ちょっと駅から遠いけど、なんのその。
玄関から、靴を脱いで上がり込めば、居間+座敷の畳敷きふた間が席。庭の緑を借景にちゃぶ台につくお茶の間感が、たまらないっ!


お茶はセルフサービスで。落ち着いたら、席に用意されている注文票に記入していくスタイルだ。悩ましいけれど、お腹はひとつ。今回は肉金うどんに、いなり寿司を付けることに。

まず、おいなりさんが登場。こちらは、出汁をしっかり含んだジューシースタイル。


そして、見よ、この素朴かつ野趣あるうどんを。
吉田のうどんは茹でキャベツが入ってるのが特徴。
さらに、ごぼうの「金」ぴらに、このあたりで肉といえばの「馬肉」のしぐれ煮がてんこ盛り。馬肉、ちょっとクセあるか? という心配は杞憂。甘辛で柔らかに炊いてあり、馬肉の旨味がカツオ出汁のおつゆにしみて、なんともやさしい旨味だ。
そして、コシと弾力のある力強いうどんが、醤油や味噌で整えたおつゆを含んで、滋味深いったらありゃしない。



途中で投入するのは、甲州地方特有の辛味調味料「すりだね」。一味、山椒、ゴマなどが入っていて、自家製で用意しているところがほとんど。この辛い薬味を加えると、やさしい顔から一転、パンチあふれる底力を見せるから驚きだ。


おつゆまで飲み干して、完食。あぁ、口の中に豊かな香りがふくらんで恍惚っす。

県外の人は「吉田うどん」と言うけれど、地元の人は吉田“の”うどん と呼んでいるとか。おつゆの味、薬味、うどんのコシは、お店により千差万別なので、食べ歩くのも楽しみだ。ただ、お昼の営業だけという店も多いので、お気をつけあれ。

(teamまめ/佐藤さゆり)