2019年7月9日火曜日

船でたったの10分! 横須賀の無人島「猿島」を探検

年始に手帳を新調すると、「今年やりたいことリスト」を作成するのだけれど、毎年達成できずに5年ぐらい抱き続けた“やりたいこと”があった。

それが「猿島探検」だ。

梅雨入りする前のある日、ついにその夢を叶えることができた。
今日はその時のお話である。



猿島は、横須賀沖1.7㎞に位置する「東京湾唯一の自然島」。
かつての戦艦が鎮座する三笠公園の脇、三笠桟橋から出ている連絡船に乗って渡ることができる。
 


 





ペリーさんに導かれ、いざ猿島へ!
乗船時間はたったの10分、あっという間に到着だ。
しかし、島というだけで少し遠くに来た気分になり、テンションがぐんぐん上がる。


 

無事に島に降り立つと、すぐ目に飛び込んでくるのが砂浜でバーベキューをする陽気なパーティーピーポー。
島でのアクティビティのひとつとして人気のようだ。



また、すぐ側にはトライアングルという会社が運営する管理棟があり、売店から更衣室、シャワールームまで完備。
さらに、「オーシャンズキッチン」というテイクアウトフードのお店も。
横須賀ビールにおいしそうな猿島グルメもそろっていて、観光気分に拍車がかかる。







猿島の玄関口は実ににぎやかだ。

しかし、今回はにぎやかな猿島ではなく、もっとディープな猿島を体験しに来たのだ。
テラスでくつろぐ人々を横目に坂道をどんどん上っていく。




ここ猿島は、かつて東京湾を守る要塞としての役割を務めていた。
江戸幕府が異国船を打ち払うための台場(大砲を据える台)を設置したのが始まりで、その後明治政府によって本格的な要塞が完成。
太平洋戦争が終結するまで一般人の立ち入りは禁止され、戦後も長い間国有地だった。
2007年、国から横須賀市に譲渡され、現在は「猿島公園」として横須賀市によって整備されている。
今でもレンガ積みのトンネルや砲台跡などが残る、重要な歴史的遺構として注目されている。

 
 


島内を歩いていると、早速なにか建物を発見。
一見ワイン蔵のようだが、こちらは大砲の弾薬が収められた「弾薬庫」。





そして、その大きさに驚かされたのが「砲台跡」。
島内のあちこちに5座もあるそう。



赤レンガのトンネルにもドキドキしながら潜入。
“フランス積み”という方式で積み上げられていて、世界遺産「富岡製糸場」など国内に4カ所しか現存しない貴重なものだそう。
長いトンネルには所々に電灯が点いているものの、内部はとても暗い。






トンネル内には「砲台地下施設」も。
2階建ての地下室が平行に建設されていて、階段を上ると山頂付近にあった司令所や照明所につながっているそう。
要塞の爪痕がここまで生々しく残っているとは・・・。







しかし、暗いトンネルを抜けると、こんな光景が!
木々のツタが絡み合うように頭上を覆い尽くし、とても幻想的。

 




古びた土地に緑がワサワサと生い茂る様子が、スタジオジブリの人気映画『天空の城のラピュタ』の世界そのものだと最近はSNSなどを中心に話題だそう。

アウトドア好きにはバーベキュー、歴史好きには要塞島、ジブリ好きにはラピュタの世界観を楽しめる島。
一周するのに1時間程度のコンパクトな島ながら、猿島はさまざまな顔を持っているなぁと実感。


どんな猿島を楽しむかはアナタ次第なのです。


(teamまめ/香取麻衣子)