2014年1月8日水曜日

七草粥で厄を祓い、心身ともにデトックス!

あけましておめでとうございます。みなさま、お正月はゆっくりできましたか。
今回、場合によっては、土日も合わせるとナント10連休! 年末は忘年会で飲んで食べ、年が明けたらまた飲んで食べ、ごろり寝転がる。休み明け、気持ち新たに活動するにも何となく体が重い……なんて人も多いのではないでしょうか。

かくいうわたしもお菓子の食べ過ぎか、小さな口内炎がひとつ、ふたつ。みっつ?
大至急、食生活を整えなくては!
と1月6日の午後、食材を買い出すため商店街に繰り出しました。

野菜売り場で真っ先に目に入ったのが七草のセット。
そういえば、実家を出て一人で暮らすようになってからは一度も食べていない。ちょうど胃にやさしい、あっさりした味のものが食べたいし、日本人らしく七草粥にしてみようかな。

というわけで、買ってきました。七草。



七草について、いまから600年以上も前に詠まれた歌があります。

「芹 なづな 御形 はこべら 佛の座
すずな すずしろ これぞ七種(ななくさ)」

一説によると、作者は南北朝時代の公家・四辻善成だと言われています。
なぜなら、四辻の著書『河海抄(かかいしょう)』(『源氏物語』の注釈書)のなかに、この歌が登場するからです。
(とはいえ、四辻だという明確な裏付けもないようで、厳密には詠み人知らず)


七草は、いずれもこの時期の旬野菜。
(写真はパックで売られていた七草セットで、しおれているけれど。来年はひとつひとつ新鮮なものを買い揃えるところから始めたい!)

セリ
セリは、夏になると川べりでかわいらしい白い花を咲かせる、あれです。
今時期の若菜は、とても香りがよい。お浸しにするといいらしいので、今度やってみます。

ナズナ
ナズナも道端でよく見かけます。ペンペン草といえば、わかりやすいでしょうか。
雑草と侮るなかれ、薬草としての効果も抜群だといいます。

ゴギョウ
キク科のゴギョウは別名をハハコグサといって、こちらも薬草。
ポンと黄色い花が咲いた、立ち姿がかわいい。

ハコベラ
ハコベラはハコベのこと。一般的には、ナデシコ科ハコベ属のコハコベが食用とされます。
お浸しにした時のシャキシャキ食感も魅力らしい。

ホトケノザ
七草のホトケノザは現在のホトケノザではなく、コオニタビラコのことを指しています。
ちなみに、現在のホトケノザは、花の部分を取って付け根を吸うと甘い蜜がおいしい。

スズナ
スズナとはカブのことで、漢字では「鈴菜」と書きます。かわいい女の子の名前みたい。

スズシロ
スズシロはスズシロナの略で、大根。

以上、「これぞ七種」というわけです。


七草の風習は、そもそも中国から伝来しました。
平安時代、宮中では既に行われていたそうです。いまの七草とは違い、米や栗、キビなど七種類の穀物が使われ、「七種粥」と呼ばれていたとか。
それが徐々に庶民へと広まり、江戸時代には七草粥として定着しました。
ひな祭り、端午の節句と並ぶ五節句のひとつ、1月7日の人日(じんじつ)の節句に一年間の無病息災、五穀豊穣を祈って食べます。

ちなみに、おせち料理で疲れた胃袋を癒す意味もあり、現在は新暦の1月7日に行われるのが通例ですが、本来は旧暦のお正月、つまり2月頃の行事。今回食べ逃したかたは、来月あたりに作ってみてはいかがでしょうか。


さて、そのレシピですが、とてもシンプル。
上記の七草をさっと茹で、細かく刻む。お粥が炊けたら刻んだ七草を入れ、ひと煮立ちさせ、塩で味を調える。それだけです。

江戸時代のやりかたに倣うなら、6日のうちに七草を用意し、その日の夜と翌7日の朝に刻みます。
もっと言えば、七草を各7回で計49回、その年の恵方を向きながら包丁で叩くようにして刻むのがいい。それも、こんなわらべうたを歌いながら。




ストトントンと刻んだ七草が、こちら。


お粥が炊けたら、これを投入し、


軽く混ぜて、ひと煮立ち。

はい、できあがり!


今年一年、大きな病気をせず、元気に過ごせますように。
いただきます!


(teamまめ/信藤舞子)