2017年10月25日水曜日

上高地、雨で湯めぐり、卜伝の湯(ぼくでんのゆ)


雨、雨、雨。雨に翻弄された短い秋でした。
振り返ると、今夏もまた、行く先々で、雨、雨、雨だったなあ。

絶対晴れてくれなきゃ困るという、お山でも、やられました。
もともとの「雨女」に加え、確実に降るという天気図となれば、あきらめも早い。

「いや〜、今日は山は無理でしょう。あきらめて、温泉三昧しましょうよ」

願ってもない提案に、急にテンションが上がる。
山ではあきらめ、というか、きっぱりと方向転換するって大切。

それならば! ロケ部隊、誰もが気になっているお湯へ行こうではないか。
晴れている時は気になりつつも、いつもはお山が目的なので、
素通りするしかないお湯だ。

「トンネルの手前の、ほったて小屋の、あやしい温泉」





         「卜伝の湯」(とでんではなく、ぼくでんと読む)
 
          建物は簡素で、川辺にへばりつくように立っている。


ここから3キロ先にある「中の湯温泉旅館」が所有している、いわば、離れの湯で、
旅館の宿泊客が送迎バスで入りにくるというが、あんまり来ている様子はない?

すぐ近くの売店兼食堂が受付を担当していて、お金を払い鍵を開けてもらうシステム。
1人700円で、完全貸切の温泉だ。

駐車場はないけれど、売店兼食堂の前に車を寄せてOK。
おじさんに料金を支払って、ほったて小屋までおじさんのあとをついていき、
鍵を開けてもらって、いざ、中へ!

入ると薄暗い脱衣所。温泉のにおいというより、カビっぽいにおいが充満する中
服をバサバサと脱いで、じめっとする空気を進むとこの扉が立ちはだかる。



               恐る恐る、扉を開けると〜
            (お湯までのアプローチはちょっとある)

          洞窟のような、鍾乳洞のような、卜伝の湯!


       湯色は、薄暗い褐色とグレーの間のような色で、ぬるめ。
    外は雨なので雨の音と、川の流れる音が、ゴーゴージャバジャバ怖いほどだが
        中は、シーンと静まり返って、これもまた怖いほど。
    
 
         「湯の中の白いものは湯の花。ゴミではありません」
           と、あったが、湯の花はほんの少し。

「雨の日は雨もりします。しずくが当たると冷たいので、注意してください」
と、あったが、たしかに冷たかった。

「扉は必ず御閉め下さい」
とあったが、たしかに閉じないと、浴槽の湿気が脱衣所に流れてジメジメ。

お湯がいいかどうかは、棚に上げて、
30分700円でも立ち寄ってよかったと思わせる、突っ込みどころ満載。

もしも、上高地界隈で、雨でどうしようもなくなったら、
卜伝の湯を思い出してたもう!

(team まめ 松井一恵)