2013年7月23日火曜日

お触り歓迎! さっぽろの野ざらしアート


美術館に行くのが好き。

でも、たまに苦しくなるときがある。
例えばそこにあるのが可愛らしいネコの彫刻で、わたしはそれをなでたくなる。いや、そう考える前につい一歩踏み出しているかもしれない。
危ない、危ない。触ったら怒られる。

あるいは、ケースで囲われていてハナから近づけないか。どれだけピターッと接近しても、ガラスに鼻の脂をつけてくるくらいの腹いせしかできない。
尾形乾山のお星のツボ(色絵紅葉文壺)とか、お花のウツワ(色絵椿輪花向付)とかホントかわいすぎてヨダレ出そうー。なんて気持ちの昂ぶりも、当の本人(作品?)にはいっこうに伝わらないのだ。

なんだ、このツンデレめ!

こんな捨て台詞も時には出てきてしまう、それがわたしにとっての美術館。
でも、こんなわたしを受け入れてくれる子もいるの。

そう、札幌には!


パブリックアートと言うと、
アートを開放!
みたいなストイックなイメージもあるので、わたしにはうまく説明できない。

そういうのではなく、もっとざっくりお触りOKな感じがいいのだ。
札幌には、そういう子がたくさんいるのさ。


とにかく懐が深くて、広くて、甘えさせてくれるのは、モエレ沼公園
かのイサム・ノグチが設計した公園で、遊具はもちろん、そこにある山も、池も、森も全部イサムがデザインした。



わたしたちはイサムの懐のなかで走ったり転がったり、ピクニックをしたりする。
たまには、ああ、あの三角錐は本当に美しいな、なんてしみじみしたりもするけれど、たいがいは芝生でくつろいだり、本気で眠ったりしている。

この遊具は、くぼみのところにお尻を置いて、うねりに沿うようにして寝っ転がると、よしかかるにも、足を上にほうって投げ出すにもちょうどよく落ち着くんだよね。
子どもたちは、このうえを上手に駆け回って遊んでたけど。

モエレビーチもいいよね、いつも子どもたちで賑わっている。





次は石山緑地。もともとは札幌軟石の採掘所で、それが閉鎖されたあと、しばらくずいぶん荒んでいたらしい。
そこで立ち上がったのが、CINQという5人組の造形集団。







巨石がゴロゴロ。
カドが多くてとっつきにくいのかと思いきや、







こんなお花が似合うなんて可愛らしい一面も。




ジャングルジムは外から見てるだけでいいの?





いいえ、これがなかからの景色。



この日は暑かったので水遊びが人気だったけど、遺跡みたいな広場もいい。
遊び方の手引きなんて何もない。でも、子どもたちは(時には大人たちも)ものすごく無心になって遊んでいる。
ちなみに、夜がまたいい。真っ暗で、しんと静まり返っていて、こちらが物音をたてると岩肌に反響してこだまが返ってくる。やみつき。



札幌芸術の森・野外美術館は、お触りOKアートの聖地!
朝倉響子が生んだ美女たちとベンチに相席とかできるし。
ちょうど雨が降ったあとだったので、顔が汗ばんでて、ちょっと走ってきたあとみたいだけど。




佐藤忠良の造る子どもは、いつもかわいくてなでるのガマンしてたけれど、ここぞとばかりになでなで。




本郷新の作品は、東京でもいい感じにしばしば野ざらしにされている。出会うたび、お触りさせてもらっている。
こんなのが、山に点在しているのだ。たまらん。


ああ、いろいろなでなでしたらストレスが抜けてったわー。
ふれあい満喫。



(teamまめ/信藤舞子)