2014年2月5日水曜日

自家製味噌でもつ煮込み!?

  

東京にも雪が降り、東京の西、武蔵野多摩エリアはうっすら雪化粧。
さて、雪のように白いこれ、なーんだ? ピントが甘くてごめんなさい。
ヒントその1→雪ではありません。



ヒントその2→木の箱に入っています。

ジャーン。正解は、米糀(こめこうじ)です。
米糀の中でも、これは江戸糀。少し甘いのが特徴。
ちょっとつまんで食べてみました。噛めば干しいものような味がしました。


糀屋さんは今が一年で最も忙しくなります。
なぜならば、心底寒いこの時季こそが、味噌の仕込み時だから。
手前味噌の味噌汁やもつ煮込みなんぞできたらいいな、、、と
糀を求めて、いざ、立川市錦町にある北島糀店へ。
東京にも糀屋さんがあるんです。
立川駅南口から徒歩3分ほど、JRAの裏手にある小さなお店ですが、
大正時代に創業、今年95年目という老舗で、
今は3代目ご夫妻が切り盛りしています。


糀の購入は基本的には予約制。
店内には予約の糀が袋に入ってずらりと並び、今日受け取りに来る人に渡す準備が
整っていました。が、少しなら予約なしで買えることもあるそう。
左の棚には紙袋に入った米糀、正面のケースには大豆が。
北海道産の「つるの子」です。


北島糀店のコンセプトは「手ぶらで来て味噌づくりの材料がすべて揃う!」です。
米糀、大豆、塩、そしてなんとタッパーまで。味噌づくり初心者の強い味方〜!
すべて1種類しかないので選ぶ必要がないというもも、らくチンらくチン。
おまけに、レシピまで添えてもらえる。レシピ通りやれば絶対に失敗しないそうだ。


さて、お店の奥の作業場で作られる「江戸糀」。どのように生まれるのでしょうか。
3代目の、北島宇子(たかこ)さんにうかがいました。
米の品種は青森産の「まっしぐら」。
粘りがあるようなご飯とおいしいものではなく、ボソっとした食感の米が理想とのこと。
つまり、「ほぐれやすい」というのがポイントです。

①米をセイロで硬めに蒸す。                
②種糀を多めに振りかける。種糀は写真の他、2種をブレンド。(唯一の企業秘密)
③揉み込んだ後、とにかく温めて28℃〜30℃、湿度70%に置く。 
④12時間寝かせる
⑤翌朝5時、硬くなっているので手でほぐす。
⑥升で計り、糀蓋(木箱のこと)1枚につき600gずつ移す。
⑦再び温め、空気を含ませるために手を入れる。
⑧さらに5〜6時間寝かせつつ、糀蓋を入れ替えたりして温かさを均等に。
⑨3日目の朝に完成。
こんなに手間ひまかかるのに、300g370円。
米騒動時に少し値上げしてからずっとそのままという、とても良心的な価格です。      
これが種糀。パウダー状になっている。

三代目の北島宇子さん。(お肌がつるつるでした! )
3日かかって完成した米糀は、ひっくり返してもひと粒たりとも落っこちません。
硬く、ひと粒ひと粒がしっかりスクラムを組んでいる感じ。



味噌づくりの基本の分量は、大豆1kg、米糀1.2kg、塩450gですが、北島さんは
「糀と大豆の割合を変えて、自分の好みの味にできるのよ」と、甘口味噌づくりを
おすすめしてくださいました。糀をたくさん使う贅沢な味噌で、なんと!
3カ月ほど熟成するそう。色白で、ほんのり甘めに仕上がります。

味噌づくりの一番のポイントは、手順を守ること。あとは空気が勝手に醸してくれると
北島さん。あともうひとつ大切なことは、大らかにつくることだそうです。

「自分の手が入ったものは、自分の口に合うのです。不思議ですよね〜。だから
一回作ってしまうと市販のものでは物足りなくなるんです」


 糀は、味噌だけでなく、甘酒、塩糀、醤油糀、酒まんじゅうづくりの素。
化粧水をつくるために定期的に買いにくる人もいるらしく、その方はとっても
美しい方だそうです。化粧水の作り方のレシピもください!



ああ、寒い寒い、熱々のもつ煮込みや〜い。
来年のもつ煮は、手前味噌でできますように。


北島糀店 東京都立川市錦町1-4-28 042-524-3190   9:30〜18:00(日曜休)

(teamまめ 松井一恵)