2019年5月21日火曜日

宮城県南三陸で聞き込み。「甘い茶碗蒸し」ってどんなもの?



見た目はみんなが知ってる茶碗蒸し、そのもの。
でも、ひと匙すくって口に運べば、あんまーーーーーーい。
その衝撃たるや!

宮城県南三陸町では、茶碗蒸しとは「甘いもの」なんだそうな。
そんな情報を耳にして、一路、向かってみたものの、あれあれあれ? 料理店では出汁がきいた、食べ慣れた味。

『南三陸ハマーレ歌津』で海産物とかまぼこ技術をいかしたバームクーヘンが人気の「丸荒」で、聞き取りすると、
「甘い茶碗蒸しはお正月に食べるもん。一つ一つ、具材ごとに炊いて、出汁と卵と砂糖を入れた卵液を入れて蒸すんです。手間がとってもかかるけど、とろんと甘くて、わたしは7個ぐらいはペロっと食べちゃいますね」。

何が入っているのかと聞けば、
ホタテ、エビ、しいたけ、かまぼこ、銀杏、ミツバなどなど。そして「栗の甘露煮。これは大事ですね」と、目に光を宿す勢い。
「器をさわるとベタベタするぐらい甘いんだけれども、そうじゃないとおいしくないんですよ。わたしに言わせりゃ、出汁だけの茶碗蒸しはおいしいけど、上品すぎてパンチがない。あぁ食べたーっていう気にならないんですね」

地元料理店で味わえそうなものだが、現在お店で出しているところはなく、民宿の膳にのぼるところがある、という程度。うーん、これはぜひとも、地元で食べてみたい。
こんなときは、地元のタクシーにアタックだ!
「茶碗蒸しは家庭料理ですからね〜」と、開口一番。はぁ、なんともつれない・・・。
「甘さはどんなもんか? プリンぐらい甘いですよ〜。栗の甘露煮の汁も使うし、砂糖も入れるし」。
タクシーのおじさん曰く、南三陸に限らず塩釜方面も甘いという。
けれど、塩釜出身の知人は「うちは出汁!」と、断固言い張る。
「え? そうですか? ならたぶん、2軒に1軒は甘いと思います!」

宿は、民宿ではなくホテルだったのだが、念のため、そこでも聞き取りを。
「ホテルでお出ししているのは、出汁の茶碗蒸しです」。
あぁ・・・やはり。しかも、甘い茶碗蒸しを食べられるところは知らないという。
そして、ご自宅でも甘い茶碗蒸しかを尋ねてみると
「わたしは、出汁の茶碗蒸しですね。あ、でもちょっと待ってください」と、裏へ。
代わりに出てきた青年スタッフは岩手の湾岸部出身だそうで、「うちも甘いです! でも外で食べたことはないですね」。

結局、とろんと甘くて、7個も食べたくなる茶碗蒸しは、現地で味わうことは叶わなかった。
がしかし、ネットで検索すると、南三陸レシピではないものの、甘い茶碗蒸しは、青森にもあるということが発覚。
クックパッド先生に尋ねると、あるじゃないの、青森の甘い茶碗レシピが!

ということで、次回は自宅で「甘い茶碗蒸しに挑戦」編。
……つづく。

(teamまめ/佐藤さゆり)