2013年12月24日火曜日

ペッカリーさんって何者? 日本唯一!? の中南米美術館(岡山県備前市日生)

岡山県備前市といえば、備前焼きの里。
その瀬戸内に日生(ひなせ)と呼ばれる、瀬戸内の小さな漁村がある。

今の季節はカキの最盛期で、大粒カキをどっさりお好み焼きに入れてしまった
「日生カキオコ」なるB級グルメが人気の町だ。

そんな町に、日本で唯一と言われる『BIZEN中南米美術館』がある。
なんでそこに行きたかったかといえば、ここには“ペッカリー”さんがいるからだ。


この美術館、個人のコレクションから始まったというが、
思わず頬をゆるますツワモノどもの巣窟だ。

人物象形土偶。愛らしさに見惚れて、
どこのお方かをメモるのを忘れてしまった。
「どすこい!」と言ってそうな人物象形土偶。
コロンビア北西地域で発掘された、
300~1000年のキンパヤ文化時代のもの。

ね。ユーモラスでしょう?

もともとは、ここ日生で漁師さんたちの漁網の製造・販売を営んでいた、
故・森下精一氏が集めたもの。
南米各国へ商用で出かけたときに、古代アメリカの文化に触れ、魅力に取りつかれ、
ついには蒐集を始めてしまったのだそう。

中南米10カ国を巡るなかで、土器、土偶、織物、石像など、収蔵したのはなんと、約1800点!
しかも、鑑定してもらうと、どれも学術上でも美術史上でも、貴重な数々と判明。

そこで、昭和50年に美術館として、一般に公開することになったそうだ。

壺。ちゃんと取っ手もついてて機能的だ。
ほ、ほ、ほしい・・・。
自由すぎる発想に胸ズキュン。


童話の世界のよう。いきいきしてるなぁ、表情が。
そんななか、探せど探せど、ペッカリーさんが・・・いない!

「あぁ。いつもなら、2階の隅で居眠りしているんですけど、
本日は出張しておりまして・・・・・・」。
と、申し訳なさそうな、スタッフのお姉さま。

なんと・・・間の悪いこと・・・。 自分の不運を嘆くばかりだ。

ちなみにペッカリーさんとは、こちら↓

アンデス文明の北で栄えた、チョレーラ文明(1200BC~200BC)時代の
ヘソイノシシという、豚の仲間なんだとか。

現在のエクアドル海岸部あたりでは、地震や火山の噴火も多くて、動物を神と崇めながらも、
共に生きる仲間として、土偶を作り、慈しんだそうだ。

そのとぼけた表情にみなが心をつかまれて(?)
2年ほど前より、日生カキオコの守護神にも任命されたという。
最近では、ゆるキャライベントにも引っ張りだこの様子で、多忙のようだ。

とはいえ美術館では、巨大コテをもつストラップや、ぬいぐるみ、絵本、
果てはかりんとうまで販売。

ぺっかりーさんには会えなかったけど、ペッカリーさんの愉快な仲間たちには、
た~んと出会える楽しい場所だった。

いつか、本物のペッカリーさんに会えることを願って!



(teamまめ/佐藤さゆり)