2016年10月13日木曜日

大都会が雅な世界へ。牛車が歩いた阿佐ヶ谷


牛車(ぎっしゃ)といえば、平安の頃、尊き貴人たちが乗った乗り物。
言葉のごとく、牛が車を引き、のっしのっしと移動する車だ。

時代小説や歴史ドラマなどで見ることはあっても、まさか平成の御代、しかも東京で見られるなんて、誰が予想しただろう。

そんな雅な催しが開かれたのは、今年9月。
『阿佐谷神明宮』の大祭だ。

昨年、伊勢神宮から鳥居を下賜され、木曳が催されたことに続き、
今年は、神器の鏡を下賜されたことを祝し、牛車に乗せ、阿佐ヶ谷の町を練り歩くこととなった。

牛は京都から前夜に到着。
疲れをみせず、おだやかな表情だ。
思いのほか大きな姿に、観衆から歓声が上がる。

車には見目麗しい巫女姫が同乗した。


牛車巡行は神社から阿佐ヶ谷駅へ、そしてまた神社に戻るという、どんなにゆっくり歩いても往復10分の道のりを2時間かけて進むというもの。
まさに「牛歩」でゆるゆる出かけるんだなぁ、牛どんなけのんびり歩くんじゃ?と、誰もが思っていた。

そして、正午にいざ出発。



「のっしのっし」の思惑に反し、牛さん、いきなりすたすたすたすた。お付きの人たちもすたすたすたすた。
観衆からは「牛、早ぇ~~」の声が飛び交った。

およそ2時間後。




実は、動画でも撮影の予定だったのだが、牛車が遠くから見えたと思った矢先、
目の前にすでにいたという、驚きの速さで間に合わず。
あぁ、悔やまれる・・・・・・。

鳥居の前で牛車が止まると、巫女姫さまが神器の鏡を手に境内へしずしずと入られ、牛はこれにてお役御免。
裏手では、一大仕事を終えた牛さんが草を食んでおられました。





そしてとんぼ帰りで京都へ。
本当にお疲れさま。そして貴重な機会に出合わせてくれて、ありがとう!

teamまめ/佐藤さゆり