2012年8月7日火曜日

ウナギもいいけど、韓国式にアレで精をつけてみた

韓国の暦にも日本同様、「土用の丑の日」のような日があります。
しかも三回。
それらをまとめて「三伏(サンボッ)」と言い、日本人がウナギを食べるように、韓国人は汗をぶったらしてサムゲタンを食べるのです。

そもそも三伏とは一年で一番暑い期間をさし、三回ある日取りをどう決めるかは諸説ありますが、一年で昼が最も長い夏至後の三番目の庚(かのえ)の日を「初伏(チョボッ)」、初伏から十日目を「中伏(チュンボッ)」、立秋後初めの庚の日を「末伏(マルボッ)」という説が定着しているそう。
今も旧暦で生活する風習が残る韓国では、お盆やお正月、自分の誕生日でさえ毎年変わる人も少なくないため、カレンダーにはしっかりこの「三伏」が記されています。

ではなぜ、猛暑の時期にわざわざアツアツのサムゲタンを食べるのか。
それは、鶏肉のお腹にもち米、ニンニク、ナツメ、栗、朝鮮人参などを詰めて煮込むサムゲタンが、滋養たっぷりだからということが挙げられますが、韓国語の四字熟語「以熱治熱(イヨルチヨル)」の考え方も大きく影響していると思われます。
「熱を以て熱を治す」……暑さで落ちた食欲、感じる体のだるさは、アツいものを食べて汗をたっぷりかき、体の内から治そう。
薬食同源の教えが根強いお国らしい発想です。

韓国では、三伏前にはスーパーで丸鶏がたくさん売られ、三伏当日はサムゲタン屋に行列ができる。毎年の三伏の光景です。
日本でも韓国料理店に行けば食べられますが、食べたい時に家で簡単に食べたい!
無精者はそう思い、新大久保にあるスーパーマーケット6軒(ナドゥリ、南大門市場、チョンガネ、韓国広場、キムズマート、韓流市場)をハシゴし、韓国もしくは日本の食品メーカーの市販品ではなく、そのスーパーマーケーットが「自家製」と謳うサムゲタンを購入。
勝手に食べ比べをしてみました。
※「自家製」でなければ、全スーパーマーケットにサムゲタンはありました。


■南大門市場(新宿区百人町1-1-3

 
サムゲタン780円
(鶏半羽に、もち米、ニンニク、ナツメ、朝鮮人参)

長さ約8cm、幅約5mmほどの細さだったけれど、この価格で朝鮮人参まで入っているのはポイントが高い。
クリアなスープは、鶏の旨みは感じるがあっさり目。
極々薄い塩味で、鶏なのかもち米なのかほんのり甘みも感じる。
味★★
リピート予想★☆


■ソウル市場(新宿区大久保1-16-15)

 
 サムゲタン780円
(鶏半羽、もち米、ニンニク、ナツメ)

















芸能人がテレビで紹介したことから人気に火がついた、このスーパーの看板商品、らしい。
3つの中で一番スープが白濁しており、温めているうちにもち米のせいかスープにとろみが増した。
こっくりとした鶏の旨みが濃い。が、塩味も濃い。
スープの温度が下がるにつれ、その塩分が気になった。
くやしいけど評判どおりに旨い。
味★★☆
リピート予想★★


■チョンガネ(新宿区百人町2-1-2)

 
サムゲタン780円
(鶏一羽、もち米、ニンニク、ナツメ、朝鮮人参)
















塩味はほぼなし。
3つの中で唯一、小ぶりだけれど鶏を丸ごと使用。その鶏も隠れるほどスープがたっぷりでうれしいが、それに対するもち米の量が少なく、バランスがやや気になった。
お腹にニンニクが2粒潜んでおり、鶏をさいた時にほわんと香りが広がる。
朝鮮人参は細切りではなく、しっかり目の大きさ。けれど冷凍していたからか食感がグズグズ。
味★☆
リピート予想★

=勝手に総評=
自家製はすべて冷凍されており、市販の湯せんでいけるものと違って解凍してから(約3時間)温めるのが少々めんどくさい。
だけれどスープにつかった状態で冷凍されているからか、解凍の工程も仕方ないと思えるほど、3つとも鶏肉がしっとりジューシーだったのには驚いた。
個人的に一番好きなのは、「ソウル市場」のもの。
中の具材やその分量、塩味がどれも違ったので、食品メーカーのサムゲタンも食べ比べてみるという、今後の課題ができた。



今年の三伏は、すでに初伏(7月18日)、中伏(7月28日)が終わり、偶然にも今日8月7日が末伏。
気になるあの店に、サムゲタンを食べに行こうと思います。
(阿部真奈美/teamまめ)

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