未曾有の大地震と大津波からまるっと3年。
震災以降、ITで支援を続ける「ITで日本を元気に」による、恒例の東北沿岸部視察に同行して再訪してみると、瓦礫の撤去が終わり、盛り土が始まっていた。しかしまだ、だだっぴろい空き地のように茫漠な風景は広がっている。
でも。
線路だったところ(全部ではないけど)を今はバスが走って、 住民の足が復活。こちらはそのバス停。まるっこくてモダン。 |
仮説店舗の商店が軒を連ねる南三陸さんさん商店街では モアイ像がお出迎え |
伝統的な神棚飾りの「きりこ」で再現された南三陸の情景 |
歌津地区にある「伊里前 福幸商店街」は 色鮮やかな大漁旗がはためいて格好いい |
さんさん商店街の隣にある『南三陸ポータルセンター』 建物は組み立て式で移設可能なモデル建築。 |
「うちの町は人々を引きつける力のある町民がたくさんいるんです」
と、南三陸町観光協会の宮川さんの声は明るい。
木の香に満ちた南三陸ポータルセンターには、さまざまなイベントのちらしが置かれている。レンタサイクル、語り部、アート工房などなど。モノづくりが好きな人、漁師さんたちなど、さまざまな得意分野をもつ地元住民がイベントの主役だ。
「情報は現場に落ちていますから」と、スタッフがどんどん町に出向き、さまざまな情報をひろい集め、イベントやワークショップを自力で企画し、発信。震災後、気力がでなかった人々のなかには、そんなイベントに参加するうち、観光で訪れる人々からは新たな刺激を受け、住民同士で交流を育み、生きがいを見いだした人もいるという。しかも、交流を重ねることで、新たな地域ネットワークも紡がれようとしている。
さらには、「これからは、公益性と収益事業に取り組みます」と、宮川さんは目を輝かせる。被災地だからこそ意義のある「防災キャンプ」など学びのツアーや、アート・漁業での独自商品の開発、そして今まで目を向けていなかった森林間伐材を資源としたビジネスも視野に入れているという。
“支援を必要とする被災地”から“自立した魅力ある町”へ。
南三陸町は、その一歩を確実に踏み出していた。
(佐藤さゆり/teamまめ)
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