2015年4月16日木曜日

うまいぞ、女川!

女川といえば、サンマ! ですが、
この春先は、当然、サンマはまだまだ港に揚がりません。

でも、せっかくの港町、海産物が食べたい!
ということで、出かけてまいりました、こちら。
ニューこのり」です。


 小さな仮説店舗に見えるでしょ?
 でも、お店のなかはけっこう広くて、お客さんで賑わっております。
 そして、ここはマジ、すっごいのでございますよ。
 まずはメニューをほれ、ドドーン!
   ↓

 夢のラインナップで、お胸がドキドキ!

 海鮮にしようという腹づもりから、一気に迷いの森に入り込み、
 あやうく遭難しかけました。
 そんな私の目に飛び込んできたのが、これ。


 そんな〜、スイマセンだなんて♥️
 ところが、

とほほ。ま、穴子は夏にとっておきましょ。
ようやく決めた一品は、旬天丼1566円なり!


わかります? 
穴子半身に、赤ちゃんのこぶしサイズは軽くある白子2つに、これまたドでかい牡蠣が3つ。そして、芋、カボチャ、ナス、オクラの野菜天が箸休め、という贅沢さ。
巨大な山の遥か彼方に、ご飯がうっすら見える程度なんです。
もうお宝の山とはこのこと。
もちろん、地物のオンパレーーード。
白子はとろりと甘く濃厚で、牡蠣はプリップリ。
腹が・・・は・・・はちきれましたっ!
ベルトはもちろん、ジーパンのボタンさえ、はずす有様です。

いやはや、ごちそうさまでした! 
海よ、お店の方よ、女川よ、ありがとう!!!

お土産も販売
女川で海鮮をゲットするなら、
地元の醤油も手に入れておくと、
女川の味を自宅で再現できますね。
穴子の旬は初夏〜秋にかけて。これからが本番です!
営業時間、定休日をご確認あれ。
teamまめ/佐藤さゆり

2015年4月15日水曜日

海と生きる人々③小渕浜〜宮城県牡鹿半島〜

牡蠣といえば、「R」が付く月。とは、一般的に知られた話だと思う。

でも、牡鹿半島の小渕浜で聞いたのは、
「5月に来れば、うまい牡蠣が食べられる!」という衝撃的な言葉だった。

佐藤夫妻。牡鹿なまりに、一同ほのぼの。
教えてくれたのは、佐藤貴一郎さんと、その奥様。
小渕浜で牡蠣とワカメの養殖をしているご夫妻だ。

「Rの月じゃないんですか?」
「この辺りは2月か5月!」
 特に5月になると、牡蠣はさらに大きく育ち、身も大きく育って、味わいもさらに深まる、旨さ格別なんだそうな。

 佐藤家にお邪魔した3月上旬はワカメの収穫に大わらわ。
 陽が昇る前に、浜に集合し、朝昼と作業を続けていた。

 ここも津波被害は大きく、港のかさ上げ事業はまだ始まってもいないという。
 高台移転の話も決まりかけたが、縄文時代の遺跡が見つかったとかで、移転話は立ち消え。移転はまだでも、移転先が決まったという他の浜と比べて、まだまだ先が見えない状態が続く。しかも、調査が終わるまで、仮設暮らしは続くようなのだ。町が本当の意味での活気を取り戻すのには、まだまだ時間がかかりそうだ。
 
 それでも、若き漁師たちがいるこの浜は、
「比較的、活気があるほうだな」
 と、朗らかだ。営業再開した民宿もあるという。

 5月の遠出は、小渕浜の民宿で、かき三昧と洒落込むのも楽しそうだ。

ガードレールがひしゃげたまま。
ロゴ、格好いいぞ。
倉庫奥では日の出前からの作業が続いていた。
ワカメがどっさり。
宮城の生ワカメは肉厚で、歯触りしこしこ。
磯の風味が強くて、食卓の主役を張れる逸品だ。
被災地の現状を聞き取り、支援を続ける
ITで日本を元気に」のメンバーと佐藤夫妻。
阿部嘉男さん、お国言葉の通訳(?)ありがとうございました!

 (teamまめ/佐藤さゆり)

2015年4月14日火曜日

海と生きる人々②竹浜〜宮城県牡鹿半島〜

 透明度の高い、きれいな海が広がっている。
 のどかな景色だ。

 ここは、5つの浜が点在する宮城県の牡鹿半島。
 お邪魔した3月上旬は、牡蠣やワカメの養殖で大忙しだ。
 その一つ、竹浜に向かった。
 そこには「後藤家の食卓」を運営する後藤さんがいるのだ。
後藤章さん。かき漁師の4代目だ。

 後藤さんちは、もともと港の目と鼻の先に自宅があった。
「浜は海風が強い」と笑うけれど、風光明媚な場所にあり、漁にも出やすい、海の様子もすぐわかる、漁師にとっちゃサイコーな場所だ。
 けれど4年前、津波が押し寄せた。

 後藤さんは沖に退避し、家族も全員無事だった。自宅は奇跡的に持ちこたえたものの、とても住める状態ではない。それでも、泥を何度も何度もかきだし、風除けの板を戸板代わりにうちつけ、いくつもの夏と冬を超えた。

「結局、竹浜に13軒いた漁師のうち、半分はここを去りました。町(石巻)に家を建てて、こちらには通うという感じですね」

 後藤さんは昨年末に高台移転でき、日々、海へと出ている。今年度の牡蠣はすでに完売のため販売終了していて、目下は、わかめ収穫に大忙しだ。
 それでも来期に向けて「石巻かき」という名前で、もっと牡蠣を知ってもらいたい、と意欲を見せ、震災直後から始めたネット通販にも力を注ぐ。
 
 じつは食用牡蠣の大多数が、石巻・牡鹿半島にルーツがある、という話をご存知だろうか?
 
 沖縄生まれの宮城新昌氏が、牡蠣養殖事業に乗り出した後、昭和初期、牡蠣の養殖と、採苗の研究をはじめた地が、この石巻・牡鹿半島だ。干満の差が大きく、プランクトンも豊富。強い種ガキが育ちやすい環境なのだという。
 その後、養殖方法が国内各地へ伝播し、さらには海外へと輸出されるようになったという。そして、この地はワカメ養殖の先駆けともなったのだ。

 さて、牡蠣は出荷するまでに処理をしないと食べられない海産物だ。
 なにせ、海の栄養分をギュギュギュッと身に凝縮させるのだから、なかには、ノロウイルスなども含まれてしまう。
 つまり、殻付きの牡蠣といえど、海から揚げたらそのまま出荷というわけにはいかない。カキの処理が必須なのだ。生食用となると、さらに神経を尖らせるのだという。
 そこで後藤さんは、生食用の通販は「むき身」と決めている。
「殻付き牡蠣の生食だと、身の状態をこちらで確認することができないんです。オイスターバーやお店など、きちんと状態を見極める方がいるところならいいんですけどね」。
 
 漁師として、安全でおいしい牡蠣を、ちゃんと届けたい。
 その一念と責任をしっかりと背負う後藤さんの目は、すでに次年度に向いていた。
 
竹浜への入り口
震災から4年、ようやく岸壁工事がはじまっている

震災で1mほど地盤が沈んだため、
かさ上げ工事となった。舟への乗り降りは大変だ。

かつて住宅が並んでいた浜は、ほとんど更地になっている。
3月上旬の様子

teamまめ/佐藤さゆり