天高く 馬 肥ゆる秋
馬ならずとも、この時期はおいしいものがいっぱいで困ってしまう。
なかでも、私の食欲を狂わすもの……
それはツルツル、ピカピカの、「 新 米 」。
自分にとっては、その2文字から後光が差しているような響きなのである。
今年も新潟から新米が送られてきた。
母の実家があちらであることと、いとこの裕子ちゃんが嫁いだ先のご両親が米農家をやっていることで、毎年それぞれのお家から送ってもらっている。
どちらもスバラシイのだが、裕子ちゃん家から届けてもらうお米のうまいことといったら、
もうっ!!!
めんたいこ、よし。
たまごかけごはん、よし。
塩鮭、筋子なんてあったらもう最高。
ピカピカに輝くひと粒ひと粒にしっかり水分と甘みがあるので、おかずはシンプルなほどいい。
なんせ主役は、新 米 なのだから。
むしろ、新米の実力を一番発揮するのは「塩むすび」だといっても過言ではない。
冷めてもなお、ツルンツルンの輝きは失われず、瑞々しさもキープ。
おむすびにしても、口の中で米の粒の存在がはっきりわかる。
不格好なおにぎりでも、米のウマさがすべてをフォロー! |
恐ろしいことに、ごはん茶碗一杯の糖分は、角砂糖(3.3g)に換算すると17個(!)に相当するとか。
ふだんはその脅迫みたいな情報におびえ、モリモリおかわりしたい本心をグッとこらえている。
でも新米はダメ。
たがはどっかにポイッ! 箸は止まらず、ひと口噛みしめるたびに「日本人でよかった」と手を合わせたくなってしまうもの。
昨年、一世帯あたりの米の消費額がついにパンに抜かれてしまったという。
ガーン。
食事を作る時間の省略化、食べ物の多様化など理由はさまざまだけど、ここ20年間食費の減少傾向にある。つまり、パンの消費額が伸びたというよりは、単純に米が下がったというひとり負けの状況なんですと。
現在、コシヒカリ、ササニシキといった有名米ならず、新たな銘柄米も登場している。
高知県の「土佐天空の郷ヒノヒカリ」や茨城県の「百笑米ミルキークイーン」。
「ゆめぴりか」をはじめ、北海道は米の評価が上昇中の注目エリアで、試してみたいお米が何種もある。
パン党も麺党も、この時期、米のおいしさをあらためて味わってみては?
(沼 由美子/teamまめ)