2012年10月30日火曜日

新大久保のイマ。勝手に食べ歩きレポート

ソウルの街には、寒くなると現れる屋台グルメがいくつかある。
少しでも韓国に興味のある人ならば知っている、「ホットック」はその最たるもの。
ほかにはこんなものも目にする。



ジンコグマ(蒸したサツマイモ)
※焼きいも、焼き栗もあり










プンオッパン(フナ焼き)
※ホットックと並ぶ、冬の屋台の代表格。日本のたい焼きより小ぶりで、たいてい生地がやや生っぽく、あんこが日本より甘め(と思う)








ホンシ(完熟柿)
※屋台グルメとはちょっと異なるが……。
韓国には、日本のような堅さの柿と、破裂しそうなくらいジュクジュクに熟れた柿の2種類があり、ホンシは指で簡単に皮をむけるので、屋台で買ってそのまま食べる人もたまに見かける




今や、韓国の流行がほぼ時間差なしに入って来ると言われる新大久保では、今どんな屋台グルメに出合えるのか、朝昼の食事を抜いて出かけてみた。

今回はJR大久保駅からスタート。
JR大久保駅北口、JR新大久保駅改札を出ると目の前にのびる大久保通り、スーパー「韓国広場」や「ドン・キホーテ」など、新大久保のランドマークが並ぶ職安通り、「ドン・キホーテ」の横の路地を入り、大久保通りへと続く通称イケメン通り
今の新大久保三大メインストリートを調査!

しょっぱなからアイスクリームとは。
「カフェ・ヨーフルト」
新宿区百人町2-2-2 小林ビル

韓国にもこの手のフローズンヨーグルトは多く、肉料理や辛い料理の後に食べると、やたらとうまく感じる。


                
    
好きなフレーバーのアイスクリームを選ぶと店員さんがカップに絞ってくれ、その後、果物やジャム、木の実などから2種を自分でトッピング。
「スプーン1杯まで」という注意書きがないのをいいことに、イチゴジャム、ヒマワリの種を2杯ずつかけて(本当はいけないのかも……)500円。


次は、今秋できたばかりの
「カンナムスタイル」
新宿区百人町2-1-3

ホットックやキンパ(のり巻き)、チェプチェ(春雨の炒め物)などが並んでいた。



人気というチーズ&ハチミツ300円は、あまりチーズもハチミツも感じられず、ファーストホットックなのにちょっとがっかり。
ボリュームこそあったが、やはりあらかじめ焼いたものをストックしている店には期待しない方がいい。                       
 続いて、現在新大久保に6号店まである老舗
「ジョンノホットック3号店」
新宿区百人町2-1-2 K-PLAZA2-1F







こちらは注文後に焼き始めるため、食べるまでにちょっと時間がかかる。




キムチ&チーズ300円は、細かく刻まれたキムチと溶けたチーズが生地の間で広がり、「なんでこんなにキムチチーズって合うんだろう」と感心しきり。待ってよかった。
こういう食事系(しょっぱい系)のホットックは韓国では見ないので、日本的スタイルという点もおもしろい。
                           


「ポポ屋台」
新宿区大久保2-32-3 リスボンビル1F

ホットックは独自配合の生地を使用、トッポキ(韓国の甘辛い餅)は国産最高級のもち米を使った餅で作るという、なにかとこだわりが多い店へ移動。
しょっぱいものを欲し、オデン200円を食べてみた。
プラスチックの皿に、汚れ物を出さないようビニール袋をかけて提供するスタイルは本場そのもの! オデンに刺さった長い串、煮干しの効いた出汁も含め、韓国を思わせる味だった。
  





大久保通りを向かい側へ渡り、
スーパー「ソウル市場」へ。
新宿区大久保1-16-15 豊生堂ビル1F


店内のカウンターが空いていたので、トッポキ小300円はそこでいただくことに。
日本の餅よりスベスベなめらかで、歯切れのいい韓国の餅。個人的にはもう少し甘い方が好きだったけれど、中のオデンを追加でくれたり、あれこれ世話を焼いてくれるオモニのサービスは韓国スタイルだったなぁ。









スーパー「ソウル市場」のすぐ横には、いつ通っても行列ができている
「ミスターホットック」がある。
 新宿区大久保1-16-15 豊生堂マンション1F




店の前には常にお兄さんが立ち、食券機での購入方法、列への並び方などをやさしくエスコート。ハチミツ200円を手にするまでに10分強かかったけれど、やっぱり注文してから焼いてくれるホットックは格別! サクッとした皮の奥から蜜と化した黒砂糖やシナモン、ナッツが溶け出し、この日食べたものの中では、韓国で食べるものに一番近いと感じた。
ホットックが入っている袋の両端を「熱いですから、気をつけてくださいネ〜」と、売り子のお兄さんが食べやすいように破ってくれるのは、昨今蔓延している日本スタイルだけれど。


途中、ヨン様に手を振りながら

 大久保通り沿いのコスメショップ「ナチュラルガーデン」と、コンビニエンスストア「スリーエフ」の間から、イケメン通りへと進む。


 
「店名不明」
(「マッコリの物語」新宿区大久保1-16-24-1F)向かい

道路に面し、カウンター席を配した屋台スタイルの店。
このキムマリ300円を筆頭に、他店にはないディープな屋台グルメが並んでいた。
韓国春雨を海苔で巻き、衣をつけて揚げたティギム(天ぷら)。香味野菜が入ったしょうゆをかけてくれ、懐かしくおいしくいただいた。
韓国の天ぷらはあらかじめ揚げておき、注文後に再度揚げることが多いので量はあまり食べられない。これくらいがちょうどいい。




 イケメン通り中ほどの
「スノースプーン」
新宿区大久保1-13-20 フォーチュンスペース101

韓国ではメジャーな屋台グルメ、もち米ドーナツの専門店。ドーナツの上に特製ソースが塗られ、さらにそこへスキムミルクやピーナッツ、黒ゴマなどがかけられ、見た目がかわいい。おすすめはスキムミルク150円。もち米でできた生地がとにかくもっちもちで、中にあんこも入っていて思いのほかどっしりお腹に効く。




そろそろイケメン通りも終わりという辺りで現れるピンクの屋台カー。
「店名不明」
「ドン・キホーテ新宿店」前

2012年夏、ソウルで流行ったというレモネードは、瞬く間に新大久保を席巻。
夏は飛ぶように売れていたレモネード店も気候が涼しくなるとともに姿を消し、今残っている店ではアイスだけでなくホットも販売していた。
注文すると目の前でレモン1個をギュッと絞ってくれる。

 レモネード300円。
甘過ぎずさっぱり。歩き疲れた体にうれしい1杯。


イケメン通りと職安通りがぶつかる角の
「カ・ナ・ダ・ラ」
新宿区大久保1-17-7 第3韓国広場ビル

甘辛チキン(カップ)200円は安いし、食べきりサイズでいいけれど、日本の唐揚げに甘辛いタレを絡めている感覚。タレにも負けない屈強な衣が、韓国フライドチキンの醍醐味だと思うので、衣がタレでふやけていたのが残念だった。
200円で文句言ってんじゃないよ! って話か。



屋台グルメの幅があるのはイケメン通り
一番店が多く、食べ比べる楽しみがあるジャンルは、ホットックトッポキ
短い時間と距離だったが、そう感じた食べ歩きだった。
(阿部真奈美/teamまめ)