2012年12月25日火曜日

2000円握りしめてせたがやボロ市に参戦!

世田谷に住むようになってからほぼ毎年行っていている「せたがやボロ市」。
12月に入るとクリスマスよりもボロ市が待ち遠しくて、都心のきらびやかなイルミネーションなんかより通りにズラリと並ぶ雑多な店に胸が躍るのだ。



「せたがやボロ市」の歴史は長く、今年でなんと435年を迎える。
もともとは着物の繕いやわらじの補強のためにボロが盛んに売買されたために、「ボロ市」と呼ばれるようになったのだそう。
通称“ボロ市通り”には、着物以外にも骨董品や植木、日用雑貨、食品などの露店が700以上も並ぶのだ。



古い骨董品などは見るだけでも十分楽しいのだが、買うとなると私には手も足も出ない。
でもボロ市に来たからには、やっぱり何か買いたい!
ということで、毎年私の目的は“いやげ”探し。
ノスタルジックで安いものを買うのが、自分流・ボロ市の楽しみ方なのだ。
何に使うかなどは二の次でよいのだ。

というわけで去る12月15日、開始時刻の朝9時から娘を連れて乗り込んでみた。
今回のいやげ探しの軍資金は2000円。
たかが2000円、されど2000円。
ここは宝島…と暗示をかけて根気よく探すのみ!



最近では、若い世代によるクラフトや工芸品などを売る店も増えていると耳にしたこともあるが、
“ボロ市”の由来となった古い着物を売る店や、
歳末市らしく、正月に餅つきをするときに必要な臼や杵を売る店、
べったら漬けをはじめ各種漬物を売る店なども健在で、
昔ながらの雰囲気はバッチリ残っている。



古い着物やはぎれを販売。
名前の由来となっているだけあって、
このテの店は人気あり。
 


毎年人気の漬物店
  

古いラベル

こけしとコマが山積み

おじいちゃんの家にありそうな古時計。
これはちょっとほしいな

江戸古銭も
昭和の民芸品コーナー。1個100円で大売り出し

なかには「こんなもの、誰が買うの?」って思うのもある。
そういう商品を見つけるのもまた楽しい。


般若キーホルダー800円

野球ペンダントにいたっては3500円!
誰かお買い上げしたかな?

そしてボロ市は買い物だけではない。
食べ歩きも楽しめるのだ。
ボロ市グルメとして有名なのは「代官餅」。
ただしこちらは行列必至なので、ちび連れの今回はパス。
その代わりに、新名物?の「ボロ市だんご」を食べてみることにした。





1本100円。
小ぶりなだんごが5個ついている。
醤油味で、仕上げに海苔をまぶしている。
この海苔は着物の“ボロ”に見立てているのだとか。

焼きたてはモチモチでやわらかく、食欲をそそる醤油の香ばしさも手伝って、
2本をぺロリとたいらげた。


結局、私が2000円で買ったものは、

針山2個500円

おちょこに入った針山。こちらは今回のヒット


「カ」「ト」「リ」のプレート(木製) 1個100円


自分の名前を探して購入。
けど、一体何に使おう?


民芸品4つ(1つ100円だった)



こけし5人衆。意外と迫力あり




みかんがモチーフのミニこけし(?)が入った民芸品。
ほのぼの系。

天狗。安定が悪い。



モチーフは何だか不明。
でも愛嬌ある顔立ちがかわいい。

そしてミニだるま2体(600円)……
なのですが、帰宅してからだるまさん達を探すも見当たらず、
どこかで紛失してしまったよう(泣)
どなたか心優しい人が拾って持ち帰ってくれればいいのだけど、
この寒空の中、まだどこかに落ちていたらと思うと心苦しい。
嗚呼、だるまさん、本当に申し訳ございませんでした。


ちなみにこちらは去年のボロ市で購入したダルマ


先ほど紹介したボロ市だんご2本も食べて、きっかりポッキリ2000円。
無駄遣いといえばまさにその通りなんだけど、何に出合えるかわからないボロ市はやっぱり楽しい!
今年も満足っす。

ちなみに年明け、1月15日・16日にも、せたがやボロ市は開催されますよ。
15日には代官行列も行われます。
こちらの代官行列、世田谷区制80周年を記念して行われるもので、今季5年ぶりの開催だそう。
12月は見逃してしまったので、1月もまた行こうかな。

(teamまめ/香取麻衣子)






2012年12月17日月曜日

長崎県オバマの熱き釜場

選挙が終わりましたね。
日本の少し前には、アメリカで大統領選も行われて、オバマさんが再選されました。

そんなオバマさんが、日本で出迎えてくれる場所があるんです。

どうです? このにこやかな表情。
こちらは長崎県雲仙市小浜町。
小浜といえば、福井県にもありますが、こちらはまた違う意味でホットな街なんです。

白く煙りが立ち上っているのが見えるでしょうか?
これ、工場の煙突なんかではござんせん。温泉の湯気なんです。

源泉温度はなんと100℃越え! 
町内の至る所から自噴していて、豊富な湯量が湧き出てるんです。

もともと1614(慶長19)年、湯小屋を建てたのが始まりで、
侍さんなどが、こぞって足湯につかっていたそうな。
明治になると湯治場として栄え、長崎をはじめ、全国から、大勢の人が押し寄せたそうです。

ふんわり漂う硫黄の香りに誘われて海岸に行ってみると・・・

白く煙る湯棚がどどーーん。その裏手は・・・
蒸し釜になっておりました!

すぐ脇には、観光協会直営の簡易店舗がありまして、食材も売られております。

「そのへんのスーパーになんでも売ってるけん、好きなもん、蒸せばええとよー」
慣れた手つきのおばちゃんは、ちょこちょこと利用しているとのこと。

「秋に蒸した栗、あれはうまかったね~」
「赤ウィンナーが意外とイケるんよ」
「サツマイモがやっぱり、いっとう甘いけんね~」
蒸し釜に見惚れていると、地元の方が口々にマイベスト蒸しものを教えてくれます。

 

やり方はこう。
①自由に使っていいカゴに蒸したいもんをいれる
②湯気でやけどせんように釜場に入れて使用中の札をかける。
③出来上がり

蒸し時間も、ほらこの通り。わかりやすいですねぇ。


ま、わたくし、ヘタレて、蒸されたばかりの蒸し卵を頂いてしまったんですけどねー。

 
 うまかったっす。いい具合でした♪

ちなみに、隣のお土産屋さんに回ってみると、こちらにも蒸し釜が。
 

メニューにはカニやらカキやらサザエやら!
品切れがあったり、量が多かったりで、チョイスしたのはコレ。

待つこと約10分。
そろそろ?と釜場を覗こうとすると、おばちゃんに「あと2分15秒」といなされました。
お客さんを捌きながらのカウント、見事です。

蒸かしすぎや、蒸かしが足りないと、どんな食材も味が激変するんだそうです。
絶妙な蒸かし加減の角煮まんは、ふっかふか。温泉に含まれる硫黄の匂いはまったくなし。
冷えた体をほっこり癒やしてくれる味でございました。
足湯に浸かりながら、パクつくのもええですね。

初心者はまず、こちらでやってもらって要領を会得するのが得策かも。

(teamまめ/佐藤さゆり)

2012年12月11日火曜日

金時山で金太郎のたくましさを知る

食に関する仕事をしていると、一度の食事で2軒ハシゴ、一日3軒取材、なんてことは多々あり、朝食や夕食を抜いて帳尻を合わせようとしても、無理があるほどカロリー過多になる。
それなら運動をするという手が世間一般的にはあるだろうが、私には「寒い」「めんどくさい」という理由で、ないのが困ったところだ。


そんな横着者でも、趣味+運動+気分転換で続いているのが山登り。
電車やバスで行ける東京近郊の山ばかりで、「縦走」とか「山小屋泊」に憧れている、まだまだ初心者同然だけれど。
紅葉に間に合わないのは承知で、年内最後、富士山を拝みに金時山へ登ることにした。

金時山は神奈川と静岡の県境にあり、箱根山の北部に位置する。
標高1213mで山頂からの眺望がすばらしく、箱根登山の中では人気の山だとか。
ロケーションもいいけれど、私には「金太郎伝説」発祥の山というのが何より魅力的で、いつかは登りたい山の一つだった。

ルートはいくつかあるが、新宿から御殿場経由の小田急バスで箱根へ向かい、途中「乙女峠」で下車し、金時山を目指すことにした。






 バス停に下りた途端、感じる冷気。
さっそくかっぷりよつに組んだ、金太郎とクマとの出会いにも感激! ぷりっとしたお尻がかわいいこと。

(「乙女峠」下車すぐ、目の前にある「ふじみ茶屋」駐車場の銅像横の看板より)
金太郎(坂田金時)は、金時山の山麓で生まれ、大きくなるにつれて、物凄い怪力となり、斧で太い木を切り倒したり、熊と角力をとって遊んでいました。ある日、東国をめぐって京へかえる源頼光に見出され、一緒に京の都へ上りました。そして、立派な侍になり、頼光四天王の一人に数えられ、大江山の酒呑童子を退治したのは有名なお話です。

登山口は 一見通行止めのように見えるけれど、表示が出ていたのでかまわず進む。



前日降った雨で、山中の空気も匂いもやや湿気を帯びていた。
苔もしっとり。


 
根っこが丸裸。
古箱根火山の寄生火山だからなのか、赤土になったり、真っ黒な土になったり、その断層もはっきりしていた。
登山者を試すかのように、道の真ん中に奇岩がゴロゴロ。金太郎がここを走り回っていたって、ほんとだろうか。


 ゆ〜っくり40分ほどかけて乙女峠(1005m)に到着。

 天気のいい日は、この展望台から富士山を見られるそうだが……。




                                     

                                
      

このとおり。
うらぶれた山小屋のような店に
「飲んでみようか
谷やんのホットコーヒー400」
の看板が。
飲んでみたかった、谷やんのコーヒー。 








(乙女峠の看板より)

昔、仙石原の娘が父親の病気を治そうと、峠の先の地蔵堂に日参し、満願の日に父親の病気は治りましたが、彼女は雪に埋もれて死んでしまった、と伝えられています。彼女の霊を哀れみ、乙女峠と呼んでいます。



 さぁ、ここからもうひと踏ん張り。
表示では金時山まで35分。

金時山は昔、その山の形から「猪鼻嶽(いのはなだけ)」と呼ばれ、急峻で岩場が多い。
山頂までの尾根筋には、道の両側が切り立ったガケが続き、おふざけは禁物。
そんな道を歩きながら、ふと遠くに目をやると、あれはもしや!
ひゃー。ついに現れた!


高いところから見ると、紅葉もほんの少しだけ残っていた。 

 えっちらおっちら、最後の力を振り絞ると、ようやくようやく。
山頂が見えてきたー!
到着は13時を過ぎていた。













 茶屋が2軒並ぶ山頂。
飼われているのか、ネコがいた。どうやってここまで登って来たんだろう。






お昼は初の山頂ラーメン。

汗が冷え、山頂はかなり体感温度が低かったので、あったかい汁もので生き返った。


        
山頂のバイオトイレ。薬品も水も使わず、微生物の働きを利用したシステムだそう。
「募金箱」とはなっているが、なんとなくみなさん100円を入れて、使っている様子。 




至る所に金太郎の気配を感じ、悦に浸っていると、「もう3時だよ。次はもっと早く登って来なさい」と、茶屋のおばちゃんに急かされ、下山開始。 


 仙石原方面へは表示時間55分。
かなり険しい岩場で、足がもつれて転倒し、精神的ダメージを受ける。
もう自分が思っているより足が上がっていないのか、私。

 山は天気も変わりやすいが、日が暮れるスピードも早い。とっぷり暮れてしまう前に、慎重に帰りを急ぐ。












でも、こういうむき出しの根っこや、ふかふかの落ち葉にはついつい足を止めてしまうんだなぁ。 




 9割下山したところで、突如現れた標語。

「金太郎 ボーと見つめる ゴミの山」


すばらしいセンス!

金太郎がゴミの山を目の当たりにし、
脱力して動けなくなっている姿が目に浮かんだ。





















 


















最後に、御祭神が坂田公時(さかたのきんとき=金太郎)という、公時神社でお参り。

帰りは遠くの方の夕焼けを見ながら、「公時神社入口」からバスに乗り、帰路についた。










もっとのんびり、余裕で臨める山と思いきや、予想をはるかに超える“男度”に引いた。金太郎♪童話の世界♪なんて、夢見がちだった自分が恥ずかしい。
「菱の腹掛」1枚で、クマやイノシシ相手に、こんな険しい山をかけずり回っていたなんて。金太郎は男でした。
(teamまめ/阿部真奈美)