中央線沿線には、わざわざでも行きたくなる古書店がたくさんある。
特に、最近の三鷹界隈は古書店好きが密かに注目するエリアで、
先日もある喫茶店で「休みの日に三鷹の本屋巡りをしてきたんだ〜」と、
おしゃべりする女子がいて、思わず耳ダンボになった。
しかし今日は、あえて三鷹を外そう! 西へひと駅「武蔵境」に新しくできた
「おへそ書房」をたっぷりと紹介したい。
武蔵境は、これまで古書店不毛の地で、金星のごとく現れたのが
この「おへそ書房」なのだ。
武蔵境北口徒歩5分。昨年まで和菓子屋さんがあった場所、
ラーメン「鶉」さん隣、少し先には米粉のパン屋がある小さな繁華街(?)に。
木彫りのクマが迎えてくれる。店前には100円均一の文庫本が並び、
クマさんは「どなたさまも気軽にどうぞ〜」と言っているような。
手作りの棚をゆったり配置した、すっきり見やすい店内は、明るくて居心地がいい。
そして、気づかないふりして迎えてくれる、店主のやさしさがうれしい。
店主は、小宮健太郎さん。
高校時代に武蔵境の南側に引っ越してきてからずっと中央線沿線で暮らし、
本に関わる仕事をしてきた人だ。
「吉祥寺のロンロンにあった書店で働き始めて、以来ずっと書店です」。
ロンロンの「弘栄堂書店」を経て、立川の「オリオン書房」で15年、
さらに国立の「museum shop t」で選書などに携わったあと、
物件を探しつつ、開業準備を進め、去る7月20日にオープンしたばかり。
書店で取り組んできた文芸書と芸術書は、「おへそ書房」でも充実している。
が、あまりマニアックにならず、
「家族揃ってきて、子どもは絵本の棚、父ちゃんはあっち、母ちゃんはこっち
と、それぞれが読む場所があるのが理想です」と、小宮さん。
とは言いつつも、「美大の学生さんにもちゃんと応えたい」と、語る。
入り口近くに、包装紙に包まれた覆面文庫本を発見。
本文の出だしを書いてあって、何の本か開けてみてのお楽しみというわけだ。
さて、小宮さんが7〜8年前から気になっている存在が、木彫りのクマ。
店内のあちこちに飾られているので、探してみよう。
鮭を食べるクマさん。
お尻がかわいいクマさん。
高いところが好きなクマさん。
ところで、小宮さん、どうして「おへそ」なんでしょう?
答えは、レジ台の下棚に。
「おへそ書房」東京都武蔵野市境2-3-20 http://ohesobooks.com
JR中央線武蔵境駅北口からまっすぐ北へ約5分
11時〜21時 木休
(team まめ 松井一恵)
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