到着当日のみ安宿に泊まり、翌日には住居探しを開始してそのまま契約。
保証人も保証金もいらず、空いていたので即入居しましたが……日本ではあまり考えられませんよね。
ということで今回は、隣の国でもここまで違う韓国の住宅事情をご紹介します!
「住宅事情」なんてでっかいことを言いましたが、触れるのはほんの一部。
韓国にも日本と同じく、分譲住宅、賃貸住宅がありますが、私のような外国人留学生にとって気軽で都合がよく、かつ日本にはない「考試院(コシウォン)」という賃貸住宅の一つです。
「考試院(コシウォン)」はもともと、漢字が表しているように、公務員試験や司法試験を受ける受験生に勉強部屋として貸していたのがはじまりだそうです。
「ここで眠れたらいいのに」「ここでシャワーを浴びられたらいいのに」。
受験生がそう願ったかどうかはわかりませんが、勉強部屋にベッドが備えられ、洋服ダンスが入り、シャワー室ができて、住居としての地位を確立したのかもしれません。
余談ですが、コシウォンなのにそうは名乗らず、なんだかかっこいい名前を付けているコシウォンがたくさんあります。
「コシウォン」
「コシテル(コシウォン+ホテル?)」
「ワンルームテル(ワンルーム+ホテル?)」
「オフィステル(オフィス+ホテル?)」
「レジデンス」
ほかにも「リビングテル」「キャンパステル」なんて看板も見かけますが、明確に線引きする条件はなく、言ったもん勝ち? な境地なのでしょうね。
ただ何件か内覧してわかったのは、「〜テル」と名乗っている部屋には室内にシャワーがある場合が多かったです。
部屋の広さはたいてい2畳〜3畳前後? 想像以上に狭くて、びっくりすると思います。(上で挙げた「オフィステル」は、その名のとおり仕事場を兼ねることもできるため例外)
その小さな空間に、ベッド、洋服ダンス、棚、机、ミニ冷蔵庫、テレビが備え付けであり、台所とトイレ&シャワーが基本的に共同。
最寄り駅からの距離、男女が同じ階に住んでいるかどうか、室内にシャワーや窓があるかどうかなどで価格に差が生じ、家賃によって室内の設備も変わりますが、ソウル市内どこへ行っても安ければ2万前半〜、文句なしの設備・立地なら〜5万ちょっと、が相場のようです。
では、私の部屋はと言いますと。
最寄り駅から徒歩1〜2分の「ワンルームテル」の3階を借りました。
共同の玄関を入ると、壁一面が下駄箱になっています。
玄関はカードキーで開けるようになっていて、住人でなければ出入りできません。住人にとってはありがたい、しっかりめのセキュリティです。
いくつも部屋が並んでいるの、わかるでしょうか?
「ワンルームテル」と言いながら、シャワーは共同でいいので室内にはなし(部屋によってはあり)。
窓がないと息苦しいので窓ありを選びましたが、外が見えないので意味なしです。とほほ。
ベッドカバーはきれいなものを準備してくれますが、布団は自分で用意しました。
ありがたいベッド下の収納。
備え付けのテレビと机。
机の下に、
冷蔵庫があります。
机の上には、
引き出し3段がついた洋服ダンスもあり、荷物は十分収まりました。
狭いけれど、トイレ兼シャワーが1フロアに2つ。
女性しかいないフロアなので、シャワーを浴びたい時間帯が重なるかもな、と思っていましたが、今のところそんなこともなく過ごせています。
自由に使えるアイロンと掃除機。
女性が使える洗濯機は、最上階の5階に3台。洗剤も使い放題です。
グチを一つ。
洗濯は夜や週末にかち合ってしまうことが多く、順番待ちになることもしばしば。所要時間が表示されるので、なるべくその時間に合わせて行くのですが、たまに忘れると洗濯物が取り出されていることがあります。勝手に人の洗濯物に触らないでほしい……。
ほんの気休めですが、私は加湿器代わりに室内に干しています。
韓国は乾燥がひどいのです。
ベッドカバーのような大きなもの、または洗濯物はお日様で乾かしたいという場合は、屋上も解放しています。
左に写っているのは、韓国のドラマや映画でたまに見かける大きな縁台「ピョンサン」。
暑い時期にここでビールを飲んだら気持ちいいだろうなぁ。
簡単なテーブルとイスもあるので、狭い部屋に食べ物の匂いがこもるのがイヤという人は、ここで食事もできます。
台所で提供してくれるものも、コシウォンによってかなり違いますが、ほぼ100%、ご飯とキムチはあります。
そこへラーメンが加わったり、卵が加わったり。
ご飯は2種類。
ラーメンはなんと6種類!!!!!
ご飯といいラーメンといい、こんなコシウォン、初めて見ました。
そしてやっぱり、何はなくともキムチ。
塩、トウガラシ、ダシの素、油は常備されており、鍋やフライパンなども自由に使えます。
電子レンジ、ウォーターサーバー、コーヒーメーカーもあります。
このコーヒーが、またうまいんです。
真のコーヒー好きは飲めたもんじゃないと思いますが、濃くて甘くて、どういうわけかカカオの香りがする、韓国のコーヒーにしかない味。
小さな紙コップに半量ほど注がれる、その量もちょうどいいのです。
以上。これが今、私が暮らす部屋です。
駅から近く、建物も新しめできれいで、設備も整っている方なので、この界隈ではお高めの38000円/月。
どうです?
安いですか? 高いですか?
それより何より、ここで暮らせますか?
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狭いし、ほかの人の生活音が聞こえるし、決して最良の住処とは言えませんが、この国での私の、身の丈に合った部屋だと思っています。
(でも両親は、いい年の娘がこういう部屋に住むのはイヤらしいです。まぁ、その気持ちもすご〜く理解できますが)
今は冷蔵庫や洗濯機など、必要最低限の家電が備え付けられているワンルームもあるようなので、「いつかはワンルームに!」が今の目標です。
(teamまめ/阿部真奈美)
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