2013年1月8日火曜日

北海道のお菓子パッケージ展

お菓子はおいしいだけでなく、見た目も大事。
今回は、お菓子のパッケージを通して、のほほんとしたユルかわいい北海道アートの世界をご案内いたします。

 
北海道を代表するお菓子メーカーといえば、六花亭
植物のイラストをあしらったデザインで有名ですが、これは釧路市出身の画家・坂本直行(なおゆき/チョッコウ)さんが手がけたものです。
1915年、小学校3年生のチョッコウさんは、よく山に登っては絵を描いていたといいます。
長じて北海道大学に入ると、農業を学びます。卒業後は一度上京し、園芸会社に就職。2年後に再び戻り、紆余曲折の末、十勝・広尾郡広尾町の牧場で働くことになりました。
農民として生きてきたチョッコウさんが、ついに画業に転向したのは54歳の時。六花亭の仕事を始めたのもこの頃で、ずいぶん遅咲きでした。

チョッコウさんは、生粋の画家というより、やっぱり死ぬまで農民だったのだと思います。
ほわっとしたやさしいタッチの中に秘められた力強さ、みずみずしい生命力。これは、実際に土に触れている人でないと。それに、六花亭の合言葉は「お菓子は大地の恵みです」。
チョッコウさんの作品は、中札内村にある六花亭工場に隣接された六花の森の、坂本直行記念館で観ることができます。

ちなみに、チョッコウさんは、坂本龍馬の甥っ子の孫です。

六花セレクト缶は、中に入った26個のお菓子を食べ尽くした後も、引き続き、個包装された飴やら、チョコやら、お菓子を入れるのに使っています。






六花亭の前身は、帯広千秋庵といいます。函館市にある千秋庵総本家の支店だった札幌千秋庵から暖簾分けしました。1977年に札幌進出するにあたり、改称しています。

札幌千秋庵の紙袋デザインも秀逸です。モチーフは、北海道の花であるハマナスでしょうか。
普段からエコバッグを持ち歩き、袋はいりません、と言っているのですが、これは必ずもらいます。むしろ、少し多めにもらいたい。


「小熊のプーチャン」の鼻長クマや、「北緯43度」の少年少女は、一歩間違えば“キモチワルイ”枠に滑り落ちてしまう危ういユルさにあふれています。
 
 
 
北海道外での知名度は低いですが、洞爺湖みやげといえば、わかさいも本舗の「わかさいも」が定番です。
こちらのパッケージは、札幌が誇る漫画家のおおば比呂司さんによるもの。戦後、漫画雑誌に作品を掲載するほか、本の装丁画、商業デザインも数多く手がけました。
実は、京都銘菓おたべ三代目おたべちゃんや、静岡県ではよく見かけるホテイフーズやきとり缶詰も、おおばさんがデザインしています。
描かれている人の、力が抜けたような表情を見ていると、つられて笑顔になってしまいます。
 

 
「わかさいも」の包装紙には、北海道の道央・道南の名所地図が描かれています。
 
札幌のキオスクで、またもやおおばさんのイラストを発見しました。こちらは岩手県の巖手屋ですが、おおばさんつながりでご紹介。
右/同じく巖手屋のかぼちゃせんべい。名前が入ってないけど、タッチが似てるからこれもおおばさんかな。左/札幌・タケダ製菓「えぞ厚焼き」。こちらもおおばさんっぽい。




おおばさんの作品は、札幌市資料館にあるおおば比呂司記念室で観ることができます。


素朴さ満載の、北海道のお菓子パッケージ。眺めて楽しい、食べておいしい。あらまあ、なんて最高なのでしょう!

(teamまめ/信藤舞子)

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