2012年8月11日土曜日

愛知・高浜で鬼みちをブラブラ

愛知県といえば、瀬戸、常滑と、焼きものが有名です。
すっかりその二つにお株を奪われておりますが、
実はもうひとつ焼きものの里があるんですよ。

そこは、愛知県の高浜市。

焼きものといっても、生活雑器、土管、壺などではござんせん。
ここの焼きものは粘土を捏ねて、焼成した瓦。
灰色の昔ながらの瓦屋根が建ち並ぶ、瓦の町なんですね。


高浜は名古屋の南東に位置した南三河にある、三州(三河)瓦の里でして、
日本三大瓦(他は島根県の石州、兵庫県・淡路)のひとつ。
江戸中期から盛んに瓦が生産されて、今も日本最大の生産量をも誇っているんです。
すごいんです。

ちなみに、市内で新たなに瓦屋根を葺くときには助成金が出るほど、
今も町のみんなで、瓦を盛りたてているんだそうです。

愛知県出身者のわたくしめ、恥ずかしながらまったく知りませんでした。

で、瓦の町ですから、鬼瓦だって健在なんです。
鬼瓦ってのは、屋根の雨仕舞いを兼ねた装飾瓦のことでございます。
だいたいが鬼の形相をしておりまして、魔除けの意味もあったりするそうな。

だからって駅前からして、インパクト大すぎます。


名鉄三河線の高浜港駅を下車すると、出迎えるのがこの、巨大な古代鬼面。
高さ、幅ともに約4mと、日本一大きい鬼のツラでございます。
間違いなく、魔物は退散しそうです。

駅前の「ニコニコ広場」に鎮座して、これによじ登ったりすることもできるそうです。
鬼は地元の子どもたちにはやさしいんでしょうか。
とはいえ夏の太陽が照りつけて、小心者のあたくし、触れることすらできませんでしたが。

さてさて駅前から、鬼みち散策路へと入っていきましょう。


ふふふ。一見、普通の路地に見えるでしょ?
ところが。


小径を歩いていくと、こんな鬼瓦たちが出てくる出てくる。
怒ってるヤツ、笑ってるヤツ、とぼけてるヤツと、表情多彩です。

一応、皆さま、椅子でございますのよ。鬼を尻に敷く快感が味わえます。


え!? まさるさん?

宇宙人? ツチノコ?
いやはや、鬼瓦・・・なんですよね。こやつらも。
公園やら散策路やら、いたるところで出会えます。

ほいでもってこれら全部、れっきとした鬼がわら職人の手によるものでございますよー。

鬼みちをたどれば、かわら美術館に辿りつきます。
美術館では、陶芸体験や絵付け体験もできるそうな。

ちなみに、わたくしめがゲットしたものはこれ。
駅近くの鬼みち案内所で見つけたものでございます。

「鬼みちぃ~? しょぼいでしょぉ~」
「えぇ~~、こんなの欲しいの~~~」

案内所にいた地元っ子は笑ってましたが、なにがなにが。
地元では当たり前すぎる光景かもしれませんが、
土管の坂や、寺社の飾り瓦など、みどころはたらふく潜んでいます。

なかなか味わい深い散策路でござんすよ。

(佐藤さゆり/teamまめ)







2012年8月7日火曜日

ウナギもいいけど、韓国式にアレで精をつけてみた

韓国の暦にも日本同様、「土用の丑の日」のような日があります。
しかも三回。
それらをまとめて「三伏(サンボッ)」と言い、日本人がウナギを食べるように、韓国人は汗をぶったらしてサムゲタンを食べるのです。

そもそも三伏とは一年で一番暑い期間をさし、三回ある日取りをどう決めるかは諸説ありますが、一年で昼が最も長い夏至後の三番目の庚(かのえ)の日を「初伏(チョボッ)」、初伏から十日目を「中伏(チュンボッ)」、立秋後初めの庚の日を「末伏(マルボッ)」という説が定着しているそう。
今も旧暦で生活する風習が残る韓国では、お盆やお正月、自分の誕生日でさえ毎年変わる人も少なくないため、カレンダーにはしっかりこの「三伏」が記されています。

ではなぜ、猛暑の時期にわざわざアツアツのサムゲタンを食べるのか。
それは、鶏肉のお腹にもち米、ニンニク、ナツメ、栗、朝鮮人参などを詰めて煮込むサムゲタンが、滋養たっぷりだからということが挙げられますが、韓国語の四字熟語「以熱治熱(イヨルチヨル)」の考え方も大きく影響していると思われます。
「熱を以て熱を治す」……暑さで落ちた食欲、感じる体のだるさは、アツいものを食べて汗をたっぷりかき、体の内から治そう。
薬食同源の教えが根強いお国らしい発想です。

韓国では、三伏前にはスーパーで丸鶏がたくさん売られ、三伏当日はサムゲタン屋に行列ができる。毎年の三伏の光景です。
日本でも韓国料理店に行けば食べられますが、食べたい時に家で簡単に食べたい!
無精者はそう思い、新大久保にあるスーパーマーケット6軒(ナドゥリ、南大門市場、チョンガネ、韓国広場、キムズマート、韓流市場)をハシゴし、韓国もしくは日本の食品メーカーの市販品ではなく、そのスーパーマーケーットが「自家製」と謳うサムゲタンを購入。
勝手に食べ比べをしてみました。
※「自家製」でなければ、全スーパーマーケットにサムゲタンはありました。


■南大門市場(新宿区百人町1-1-3

 
サムゲタン780円
(鶏半羽に、もち米、ニンニク、ナツメ、朝鮮人参)

長さ約8cm、幅約5mmほどの細さだったけれど、この価格で朝鮮人参まで入っているのはポイントが高い。
クリアなスープは、鶏の旨みは感じるがあっさり目。
極々薄い塩味で、鶏なのかもち米なのかほんのり甘みも感じる。
味★★
リピート予想★☆


■ソウル市場(新宿区大久保1-16-15)

 
 サムゲタン780円
(鶏半羽、もち米、ニンニク、ナツメ)

















芸能人がテレビで紹介したことから人気に火がついた、このスーパーの看板商品、らしい。
3つの中で一番スープが白濁しており、温めているうちにもち米のせいかスープにとろみが増した。
こっくりとした鶏の旨みが濃い。が、塩味も濃い。
スープの温度が下がるにつれ、その塩分が気になった。
くやしいけど評判どおりに旨い。
味★★☆
リピート予想★★


■チョンガネ(新宿区百人町2-1-2)

 
サムゲタン780円
(鶏一羽、もち米、ニンニク、ナツメ、朝鮮人参)
















塩味はほぼなし。
3つの中で唯一、小ぶりだけれど鶏を丸ごと使用。その鶏も隠れるほどスープがたっぷりでうれしいが、それに対するもち米の量が少なく、バランスがやや気になった。
お腹にニンニクが2粒潜んでおり、鶏をさいた時にほわんと香りが広がる。
朝鮮人参は細切りではなく、しっかり目の大きさ。けれど冷凍していたからか食感がグズグズ。
味★☆
リピート予想★

=勝手に総評=
自家製はすべて冷凍されており、市販の湯せんでいけるものと違って解凍してから(約3時間)温めるのが少々めんどくさい。
だけれどスープにつかった状態で冷凍されているからか、解凍の工程も仕方ないと思えるほど、3つとも鶏肉がしっとりジューシーだったのには驚いた。
個人的に一番好きなのは、「ソウル市場」のもの。
中の具材やその分量、塩味がどれも違ったので、食品メーカーのサムゲタンも食べ比べてみるという、今後の課題ができた。



今年の三伏は、すでに初伏(7月18日)、中伏(7月28日)が終わり、偶然にも今日8月7日が末伏。
気になるあの店に、サムゲタンを食べに行こうと思います。
(阿部真奈美/teamまめ)