ありとあらゆるご当地ラーメンがニッポン全国津々浦々にあります。
そんななか、こんな幟を発見しました。
水戸藩? ですとーーー?
「支那そば」という言葉があるくらいですから、
わたくし、ずっと戦後の食べ物だと、思いこんでおりました。
ところが本当は、戦前なんてもんではありません。
文明開化のはるか前、江戸時代前期に、ラーメンはすでに日本で食べられていたのです。
その御仁は水戸光圀公、つまりは、黄門様であらせられます。
黄門様といえば、徳川家康公の孫に当たるお方。
肉やワインを好み、チーズ、餃子なども食していたという稀代のグルメ探究者だったとか。
そんなお方が、『大日本史』を編纂の頃、
中国から招いた儒学者・朱舜水(しゅ しゅんすい)に中国麺を教わり、
自ら作って食べたんだそうです。
このニッポン初のラーメンレシピを再現したのが、
「水戸藩らーめん」。
もちろん、水戸周辺9店舗で味わえるご当地ラーメンです。
それが、なんと三鷹にもあったんです!
呼びボタンを押さないと開かない、通称「自動ドア」からお店の中へ。
かなりいい感じで昭和どストライクです。
昭和43年創業のこの店は、東京唯一の水戸藩らーめんのお店です。
「あの~、水戸のご出身なんですか?」
「あら~。全然関係ないわよーーー」
のっけからやられました。
どうやら常連さんに水戸黄門のドラマスタッフがおられたようで、
その縁で、水戸藩らーめんをはじめたんだそうです。
水戸藩らーめん 900円 |
ラーメンは和風出汁の醤油味。
ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギ、ショウガの五辛薬味をかけて食べるのが、
黄門様スタイルです。
五辛をお好みでスープに混ぜん込んで、いざ出陣!
「あ、ネギは丼の中に入ってるわよ。あとシイタケが入ってるのもポイントね。
そうそうほら、クコの実と松の実も入ってて、薬膳って感じでしょ?」。
おばちゃん、ていねいに教えてくださいます。
よく見ると、ラーメンはうっすら茶色で、そばのような風情。
これは、小麦粉に藕(おう)※レンコンの根 を粉末にしたものを練り込んだもので、
水戸から取り寄せているそうです。
ツルツルで、シコシコとした強い歯触り。
麺が淡泊な味なのは、レンコンのせいかもしれません。
その分、和風出汁と五辛が織りなすガツンとしたスープがじわじわ効いてきます。
完食すると、紋所が仰げるとの噂なのですが・・・
けっこうなボリュームにリタイヤっす。む、む、無念・・・なり・・・。
カッカッカッカッとあの笑い声が聞こえてきそうです。
今度はしかと腹を鍛えて、ちゃんと御紋を拝み、ひれふします。あぁ。
ちなみに店は中国料理店。マーボー豆腐やら、カニ玉なんてのもありました。
【中国料理 杏苑】
三鷹市下連雀7-9-4 ☎0422-45-1948 11:30~15:00・17:00~20:30 水曜休 ※お店の許可を得て、撮影・掲載しています (teamまめ/佐藤さゆり) |
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