前回勝手に食べ比べたサムゲタン。
9月中旬になってもしつこい暑さが居座っているので、今もたまに買ってきては家で食べている。
ソウルにいた頃住んでいた下宿先で、そこのおばあちゃんが作ってくれたサムゲタンを時々思い出す。
骨付き鶏肉のぶつ切りをもち米の原形がなくなるまで煮込んだ鶏がゆのようなものだったが、韓国的土用の丑の日の存在を知ったのもそのサムゲタンがきっかけだったし、「サムゲタンを家庭で作るんだぁ。しかも骨付き肉で!」と、やたら感動したのを覚えている。
ある時は鶏の旨みをまっすぐに感じるシンプルバージョン。またある時は、たっぷりのニンニクを苦みが出ないところまで炒め、そこに鶏ともち米を入れて煮込んだ、全体が褐色のニンニク強めバージョン。
どちらもお店の味にはない、飾り気のない旨さがあった。
私も家で作りたいなぁとは思うものの、韓国のようにサムゲタンにちょうどいい小ぶりな丸鶏がすぐ手に入るものではないし、そもそも鶏一羽を買ってきて、お腹にもち米や漢方を詰めて煮るのはかなり面倒……。
と思っていたら、新大久保の料理教室『カナダラキッチン』にて、「鶏モモ肉で作るサムゲタン」という講座を発見。
さっそく行ってみることにした。
2012年6月にオープンしたという教室は、まだどこもかしこもピッカピカに真新しい。
聞けば、職安通りに面した韓国食材スーパー『韓国広場』の系列施設だとか。
だから材料費込みで、手軽に受講できるのだなと納得。
受講料3500円を支払い、日本語のレシピを受け取って、日本語のお上手な先生による講座がスタートした。
講座の進め方は、まず先生が生徒の前で区切りのいいところまでを実演し、次に各自が実践。そしてまた先生による実演があって……のくり返し。
レシピはもちろんのこと、実演しながら韓国の食文化に触れたり、聞き慣れない調味料の説明や「こういう料理にも使えますよ」といった汎用性まで教えてくれるのがうれしい。
↑ 引き出しにはかわいらしい韓国のスプーン「スッカラ」。
【サムゲタンの材料】
鶏モモ肉、もち米(洗って水に浸けておく)、ニンニク、ナツメ、ネギ
※上下に映っている大根や調味料などは、いっしょに作ったカクテキの材料
【漢方】
干し栗(ニンニクの右)、ナツメ(ニンニクの下)、甘草(ナツメの下、樹木の皮のようなもの)、クコの実(ナツメの右)、ファンギ(一番)
鶏モモ肉の黄色い脂肪などを取り除いたら、所々に包丁を入れる。
鍋に鶏モモ肉を入れ、鶏がかぶるくらいの水を入れたら、ネギとニンニクを投入し火にかける。
沸騰したらネギを取り出す。
(スープにネギのヌルヌルが出てしまうから、早めに取り出すのだそう)
もち米と漢方を入れ、アクを取りながら中火で40分〜1時間煮込んで完成。
拍子抜けするくらい簡単だけれど、スープにはしっかり鶏の旨みが行き渡っている。発汗を促すという漢方、ファンギが入っているからか、汗をかきかき試食した。
漢方でほんのり褐色に色づいたスープには塩味がついていないので、食べる時はお好みで塩、コショウを振って。もしくは、ゴマ油+塩コショウのタレを作り、そこへ鶏肉をつけて食べてもコクが生まれ、違う味わいを楽しめる。
ここの先生の教え方で好きなポイントは、実演中に必ず味見をさせてくれる点。
また、「気になる調味料があれば味見してみてくださいね」と、積極的に勧めてくれる点だ。
レシピには「○ml」「小さじ/大さじ○」などの表示はあるが、「(いずれは)自分の感覚で作って、覚えてください」ともおっしゃる。ベースになるレシピは伝授するけれど、あとは自分好みにアレンジして、みなさんのレシピにしてください、という柔軟性を感じるのだ。
自分のレシピにするべく、今度は涼しくなるとスーパーで多く見かけるようになる水炊き用骨付き肉を使い、もち米の量もちょっと増やして作ってみようと思う。
漢方は……干し栗の代わりに甘栗でも入れてみようかな。
(teamまめ/阿部真奈美)
※写真は許可を得て撮らせていただきました。
料理教室の許可なしでのレシピの私用、 転用は禁じられております。
(teamまめ/阿部真奈美)
※写真は許可を得て撮らせていただきました。
料理教室の許可なしでのレシピの私用、
<カナダラクッキング>
東京都新宿区大久保1-12-1 第2韓国広場ビル3階
(スーパー「韓国広場」の向かい側、コリアプラザのビルの3階)
☎03-3232-5441(料理教室直通)
営業時間: 午前10:00~午後8:00 (年中無休)
※キムパプ(韓国のり巻き)体験教室1000円〜。
ほか、メニューによって受講料は異なるが2500円程度〜。
ほか、メニューによって受講料は異なるが2500円程度〜。
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