中央本線が乗り入れる小淵沢駅と、しなの鉄道が乗り入れる小諸駅を結ぶ小海線。
標高1345・67mの日本一高い場所の駅、野辺山駅をはじめ、日本一の高所を
走りゆく高原列車としてその名を知られている。
始発の小淵沢を出発すれば、左前方には八ヶ岳が、右には(上の写真のような)南アルプスの山並みがそびえ、それはもう乗っているだけで気分爽快になれる列車なのである。
……と期待して乗り込んだのだが、あいにくの雨模様。
高所のため、霧がハンパないっす(泣)
なんも見えねぇ(北島康介)。
同行者に、「ここからの眺めはあそこに山が見えてて」とか「本当はここで○○山がいい感じなんだけど」なんて教えてもらって、かなり心の目(妄想?)が鍛えられました。
およそ1時間に1本のダイヤだから、そう簡単に乗り降りはできないけれど、やっぱりどんな駅なのか、どんな町なのか降りたってみたい。
とある駅はこんなでした。
なんもねぇ(再び北島)。
トイレも改札もありません。ローカル線度満点です!
個人的にかなり気に入ったのは「海瀬駅」。
旧道から民家の細~い脇道に入り…
手入れの行き届いた植木なんかのよけつつ進むと…
そこに駅が! ローカルすぎるっしょ!!
この「馬流駅」だって、案内板があるのは民家の塀……。
矢印の方向に進んでいくと今度は畑の真ん中に案内板が……。
さらにあの建物の路地を左へ行くと、小さな小さな駅があるという具合。
ところで、
山間を走る列車なのに、なぜ「小“海”線」なのか?
沿線には先ほどの「海瀬駅」、「小海駅」のほかにも、「佐久海ノ口駅」「海尻駅」と海の付く地名が多い。
調べてみると、こんなことがわかった。
平安時代の大暴風雨により、小海線と並行する信濃川の源流「千曲川」が流れる一帯が大水害に見舞われた。
大泥流は川の流れをふさいでしまい、一帯には二つの巨大な天然のダム湖が形成されたという。本流である千曲川をせき止めていた大きな湖と、相木川をせき止めてできた小さな湖。この二つが「海」と呼ばれて、約120年間で現在の地名の元として定着したのだとか。
改めて地図を見返してみると、海の付く地名は、「口」から「尻」、そして「瀬」と川の流れともピタリと合っており、とても合点がいくのだ。
小淵沢駅に戻り、駅そばでも食べようとメニューを覗くと、
肉そばは桜肉を使用しているし、野沢菜天や地元産の舞茸天なんていうメニューもある。
肝心の車窓の風景はまったく堪能できなかったが、こんなささやかなことでテンションは復活!
今度こそ晴れた日に、山々の雄姿を眺めながら乗車してみたいと思った。
(teamまめ/沼 由美子)
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