名古屋では、追随を許さぬ、唯一無二の奇峰として、つとに有名だ。
名古屋人ですら、その名を聞けば、恐れをなす。
かくいう私も、登頂への一歩を踏み出せずにいた腑抜けもんだ。
「デカ盛りだった記憶しかないな」
「行ったことは行ったけど、完全に記憶がホワイトアウト。よほど悲惨な目にあったと思われますな」
とは、地元の経験登山者たちの言葉。
名古屋出身者として、見ておくべきじゃないのか?
悪魔の甘い声が、ある日、耳に届いた。
おうよ、行ってやろうじゃねぇの!
ということで、いざ! 初登山!
ビギナーらしく、ここは4名でパーティーを組み、遭難対策もバッチリだ。
名古屋の文京地区に、神々しくそびえ立ち、
ロッヂ風の洒落た建物の前に、勇敢なる挑戦者たちが群がっている。
ここは魔界かオアシスか?
扉を開けても、まだまだ群がる人々。
じっと周囲を見渡しているうちに、耳の奥でゴングが鳴った。
まずは目を凝らしてとくとご覧あれ。
めくるめくミステリアスなネーミングに、一同、早速凍りつく。
スタッフのお兄さんに「これって、何が入ってます?」と聞いてはみたが
困ったような顔をされるばかり。
いかんいかん。
ここは、どーんとアタックをかけねば、挑戦者の名折れじゃないか!
店では、一人一品注文が大前提だ。
だが、他の席へと運ばれる皿を横目で見て、作戦会議。
まずは、名物たる一品を注文。
甘い口を癒す、塩気(と思われる)一品を注文。
奇峰らしいドリンクを頼む。
そこで、デザートを攻めるかどうかは、後で考えよう。
策は決まった。
①モモヒキ
シンプルないでたちだが、侮る事なかれ。
じわじわとスイートな味が攻め寄せてくる。
お茶請けは名古屋じゃ当たり前に付いてくる。
②クリームソーダ、コーヒーフロート、オレンジフロート
ジョッキサイズのドリンクを、がっぽりと覆い尽くすアイスが素晴らしい!
準備運動はこれまで。
そしていよいよ、登山開始だ!
③甘口スパゲッティの大定番:甘口抹茶小倉スパゲッティ
見よ、この見目麗しい雄姿を!
抹茶がスパゲッティに練りこまれ、生クリームと小倉が鎮座する。
正直、見てまず萎えた。
隣席の家族連れは常連らしくても頼んだことはないとのこと。
そんな常連ですら、躊躇してしまう一品こそが、これだ!
もぐもぐ、もぐもぐ
温かい・・・当たり前だが、見た目のスイーツに惑わされ、頭が混乱する。
「これは、ホットケーキ的な味だな」
パーティーの一人が口にした言葉に、一同、天の啓示のような気持ちになる。
そうなのだ、ホットケーキに近い。
だって、ホットケーキもスパゲッティも小麦由来じゃないか!
そうなると、見た目もキュートに見えてくるから驚きだ。一気にフォークが止まらなくなった。
そして・・・
ほら、ご覧のとおり♡
口が甘くなったので、次は塩気を。
④アボカドとツナのピラフ
適度な塩気にアボカドが入ってるなんて、ある意味ふつー?
と、思えてくるから、驚きだ。
ちなみに、これらの量は大盛だ。
すでに腹は満ちている。が、となく、パーティ一同、もっと堪能すべきじゃないか、
いや、口直しに下山すべきじゃないか、という逡巡に入った。
1、下山する
2、謎のロバライスをせめてみる
3、トマトパフェをデザートにする
4、ナマズスパに手を出してみる
そしてジャンケンポン。
神が出した結論は、トマトパフェだった。
これにはトマト好きのメンバーが狂喜した。
「トマトなら、おいしいに決まってる」と。
⑤イタリアントマトパフェ
かわいらしいじゃない? 赤いトマトと白いアイス&生クリームがカラフル。
そして手を出してしばらくすると、一同、無言になった・・・。
トマトは甘い。みずみずしく甘い。しかし、その甘さは、トマトやアイスや生クリームだけじゃない、何か秘密の甘さが加わって、猛烈な甘さが口の中に押し寄せてきた・・・。
恐るべし、マウンテン。
やはりここは魔界なのだろう。
みなさまもお出かけになる際は、くれぐれも一人では登山しないように、お気を付けあれ。
(teamまめ・佐藤さゆり)
ビギナーらしく、ここは4名でパーティーを組み、遭難対策もバッチリだ。
名古屋の文京地区に、神々しくそびえ立ち、
ロッヂ風の洒落た建物の前に、勇敢なる挑戦者たちが群がっている。
ここは魔界かオアシスか?
扉を開けても、まだまだ群がる人々。
じっと周囲を見渡しているうちに、耳の奥でゴングが鳴った。
まずは目を凝らしてとくとご覧あれ。
めくるめくミステリアスなネーミングに、一同、早速凍りつく。
スタッフのお兄さんに「これって、何が入ってます?」と聞いてはみたが
困ったような顔をされるばかり。
いかんいかん。
ここは、どーんとアタックをかけねば、挑戦者の名折れじゃないか!
店では、一人一品注文が大前提だ。
だが、他の席へと運ばれる皿を横目で見て、作戦会議。
まずは、名物たる一品を注文。
甘い口を癒す、塩気(と思われる)一品を注文。
奇峰らしいドリンクを頼む。
そこで、デザートを攻めるかどうかは、後で考えよう。
策は決まった。
①モモヒキ
シンプルないでたちだが、侮る事なかれ。
じわじわとスイートな味が攻め寄せてくる。
お茶請けは名古屋じゃ当たり前に付いてくる。
②クリームソーダ、コーヒーフロート、オレンジフロート
ジョッキサイズのドリンクを、がっぽりと覆い尽くすアイスが素晴らしい!
準備運動はこれまで。
そしていよいよ、登山開始だ!
③甘口スパゲッティの大定番:甘口抹茶小倉スパゲッティ
見よ、この見目麗しい雄姿を!
抹茶がスパゲッティに練りこまれ、生クリームと小倉が鎮座する。
正直、見てまず萎えた。
隣席の家族連れは常連らしくても頼んだことはないとのこと。
そんな常連ですら、躊躇してしまう一品こそが、これだ!
もぐもぐ、もぐもぐ
温かい・・・当たり前だが、見た目のスイーツに惑わされ、頭が混乱する。
「これは、ホットケーキ的な味だな」
パーティーの一人が口にした言葉に、一同、天の啓示のような気持ちになる。
そうなのだ、ホットケーキに近い。
だって、ホットケーキもスパゲッティも小麦由来じゃないか!
そうなると、見た目もキュートに見えてくるから驚きだ。一気にフォークが止まらなくなった。
そして・・・
ほら、ご覧のとおり♡
口が甘くなったので、次は塩気を。
④アボカドとツナのピラフ
と、思えてくるから、驚きだ。
ちなみに、これらの量は大盛だ。
すでに腹は満ちている。が、となく、パーティ一同、もっと堪能すべきじゃないか、
いや、口直しに下山すべきじゃないか、という逡巡に入った。
1、下山する
2、謎のロバライスをせめてみる
3、トマトパフェをデザートにする
4、ナマズスパに手を出してみる
そしてジャンケンポン。
神が出した結論は、トマトパフェだった。
これにはトマト好きのメンバーが狂喜した。
「トマトなら、おいしいに決まってる」と。
⑤イタリアントマトパフェ
かわいらしいじゃない? 赤いトマトと白いアイス&生クリームがカラフル。
そして手を出してしばらくすると、一同、無言になった・・・。
トマトは甘い。みずみずしく甘い。しかし、その甘さは、トマトやアイスや生クリームだけじゃない、何か秘密の甘さが加わって、猛烈な甘さが口の中に押し寄せてきた・・・。
恐るべし、マウンテン。
やはりここは魔界なのだろう。
みなさまもお出かけになる際は、くれぐれも一人では登山しないように、お気を付けあれ。
(teamまめ・佐藤さゆり)