2017年4月27日木曜日

宮城・南三陸のココロオドル春

今年で5回目を迎えた、春恒例の南三陸詣で。
今年はあちらこちらで楽しい変化が起こっていた!

まず向かったのは、『戸倉漁師の会 感謝祭

こちら、毎月第2日曜の9時〜14時(売り切れ次第終了)に開催する、
いわゆる漁師直売の感謝デーだ。
漁師を中心に13人が出店するのだが、これが南三陸らしい豪気っぷりなのだ。

カキフライは1個100円!
目の前の海で育んだ牡蠣を
3〜4個まとめて揚げる!

見よ! このプクプク感を!

カボチャを生地に練りこんだ饅頭も蒸したて!

しかも、あんこぎっしり!


ワカメならこの漁師さん、牡蠣ならこの漁師さん、ホヤなら、ホタテなら、と
飛び交う地元情報に耳がダンボ。
「浜値だから安いし、出店する漁師さんはみんな腕に覚えありの名人級ぞろいなんです」と、戸倉に根を張る渡辺さんが教えてくれた。
夏はアナゴやアワビですら、浜値という大盤振る舞いだ!
「直接、お客さんの顔が見られるから楽しみなんですよ」
海産物の他にも、カボチャや小豆も地元産。
おやつや漬物だって、地元の味ぞろいなのだ。

小腹が満ちて、漁港をあとにすると、
かつてあった小学校の脇に、地元の鎮守様が、変わりゆく南三陸を見守っている。

 


現在、かさ上げ工事が続行中で、訪れるたびに道が変わっていくが、
海と山の風景は変わらない。

南三陸町の中心部から少し離れた所では、木造の元小学校がゲストハウスとなっていた。
こちらは『校舎の宿 さんさん館
教室を改造した客室や、地元産の食事などが味わい深いが、
実はグリーンツーリズム体験の宿でもあり、田植え、山菜採りなど、季節ごとの山里体験メニューも豊富だ。

 

近くには、こんな水郷の風景も。かつてはここで粉を引いていたのだろう。


ということで、地元の人から教わったそば処へゴー。
こちら、『そば処すがわら』。
民家の玄関をくぐり、居間とおぼしき座敷でいただくのだ。
こけしやたぬきなど、郷愁を覚える置物がずらりと並ぶ空間で待つと・・・。
 

いやはや、これがすごいのだ。
見た目はフツーに見えるかもしれないが、食べても食べても「減らないぞ?」と
目を疑うボリューム感。そして、うまい!
カツ丼も人気だが、そちらのボリュームは大の男が舌をまく量なので、出かけるときは、しっかり腹をすかせて向かうべし!

そして、忘れちゃならないのが、『南三陸さんさん商店街』。
かさ上げ工事のため移転し、3月に再開した!
地元産の木をふんだんに用いた木造り商店街だ。
地元名産の志津川のタコが、案内役を買ってでて、モアイがトイレをご案内。


 


キラキラ丼をはじめ、南三陸名物もあれこれあって迷うばかりだが、
今回は、異彩を放つこちらに注目! その名も「タコぷりん」。
タコとプリンが出合ったその味やいかに!
熱々をその場で食べることもできるが、お持ち帰りだってできるので、ぜひ一度、試してみるのも一興かと。

そしていよいよ、今回のお目当ての「伊里前復興商店街」へ。
ワカメ祭りで、いざ勝負! と勇んで出かけたら、あれあれあれ〜〜〜?
すでに片付けられている・・・?

「ワカメは2トン用意しといたんだけどね〜、11時には売り切れちゃったんですよ。めかぶでさえ、600kg用意したんだけど、40分で完売しちゃった」
と、笑顔で残念なお知らせをする、海産物店『マルアラ』の及川さん。
実はこの日、かさ上げ工事のために移転する、直前最後の祭りだったのだ。

移転先は、道路を挟んだ反対側。
南三陸さんさん商店街と同じ隈研吾氏設計の、地元産の木をふんだんに用いた
木の香かぐわしい商店街だ。名前も新たに『南三陸ハマーレ歌津』。
4月23日にオープンし、料理店や酒店(バーあり)が新たに加わって、
歌津で買い物+食事が楽しめる空間となる。

この旧商店街は、海に面した最高の立地。ここはこのあと、どうなるのだろう。

「あぁ、ここは工事が終わったら、海の駅風にしようかな、と」
と、及川さん。
実現はまだまだ先とのことだが、歌津を拠点に、海を巡る探検ができるようになりそうだ。

「南三陸はね、町の人たちで会社を作って、役場や商工会に働きかけているんですよ。町がやってるんじゃなくって、町の住民が自主的にまちづくりをやっているのは、ここぐらいかもしれないですね」

と、アイデアはまだまだ尽きない様子。

南三陸のワクワクするような変化は今後も続くようだ。

(teamまめ/佐藤さゆり)