「現実や、日常から離れたい」
「のんびりしたい」
「リフレッシュしたい」
「おいしいものを食べたい」
でも、子どもの頃は違った。もっと好奇心に溢れていて、そこがどんな町なのか、どんな歴史があって、どんな産業が盛んなのか知りたくてたまらなかった。
めったに来れない場所だから、チャンスは今しかない! そう思っていたんだろう。
よし、決めた! 今回、2度目となる会津若松旅行は、あえてベタな観光スポットに行こう。
会津若松駅に降り立つと、真っ先にあかべぇが出迎えてくれた。さすがはマスコットキャラだ。
駅前には、その原型である赤べこが。
駅前には、その原型である赤べこが。
ボタンを押すと、ゆらゆら首を揺らす独特の動きをしながら歌ってくれる。この子、意外と声量があるのだ。あまりの熱唱ぶりに周りの人が振り返るので、1人だとちょっと恥ずかしい。
(でも愉快だから、またボタンを押してアンコールしてもらった。自分だけのために歌ってもらっている感じがして、ちょっとうれしい)
(でも愉快だから、またボタンを押してアンコールしてもらった。自分だけのために歌ってもらっている感じがして、ちょっとうれしい)
幕末から明治にかけて起こった戊辰戦争は、日本各地を転戦。そのなかの代表的な局面のひとつが会津戦争で、白虎隊はその犠牲者といえる(最終的に飯盛山で集団自決)。
「東京から来ました。このたびはおじゃまします」
しんみりした気分で挨拶した。
会津若松駅から歩くこと約15分、中心街に出ると、今度は野口英世に遭遇。
広場に立つ像はかなり巨大。上から「忍耐」と言われると、ハイと頷くしかない。
「東京から来ました。このたびはおじゃまします」
しんみりした気分で挨拶した。
会津若松駅から歩くこと約15分、中心街に出ると、今度は野口英世に遭遇。
英世は隣町の猪苗代出身で、青春時代を会津若松で過ごした。というわけで、ゆかりの地付近には野口英世青春広場が作られ、野口英世青春通りが走る。
広場に立つ像はかなり巨大。上から「忍耐」と言われると、ハイと頷くしかない。
左手をポケットに入れているのを見て、むかし読んだ伝記の内容を思い出した。
英世は赤ん坊のとき、囲炉裏で手を火傷し、指がくっついてしまったのだ。このシーンは、泣き叫ぶ赤ん坊の挿絵と併せて子どもだったわたしにはずいぶん衝撃だった。
左手をポケットに入れて隠す、これは英世の癖だったらしい。
のちに英世は会津若松の病院で手術を受け、左手が使えるようになるのだが、それをきっかけに医者を目指す。
ちなみに、広場に隣接する野口英世青春館にも小さな英世像がある。体型からして中年時代か。こちらは左手が使えるようになったあとみたい。
青春館には会津壹番館という喫茶店が 併設されている。ロゴマークも英世。 |
さて、翌日。旅のメインイベント2本立て。
一軒目は手作り体験ひろば 番匠。いざ、赤べこの絵付けを体験するのだ(飛び込みOK)。
赤べこは張り子のおもちゃで、会津の郷土玩具。
その昔、会津焼津に福満虚空蔵堂を建設したとき、境内に集まってきた赤い牛が資材の運搬を手伝ったらしい。お寺が完成すると、なんと堂前で石化。それ以来、守り神とされてきた。
という伝説が由来だ。
最初はのっぺらぼう。テーブルに白と黒の絵の具が用意されているので、それを使って好きなように模様を描いていく。
白の絵の具を入れて……、
そのうえに黒を重ねていく。
好きなように描いていいと言われたのに、なんとなくお手本通りになってしまった。自由って、なかなか難しい。
一緒に体験したちびっこは背中に水玉とお花を描いていた。ナルホド。
睫毛をつけ、女の子ということにしてみた。ささやかな抵抗。 |
(赤べこといえば、こんなプロジェクトも→東北復興支援 赤べこプロジェクト展)
二軒目は山田民芸工房。会津で最も古い民芸品といわれる起き上がり小法師を職人さんが手作りしている。ここもやはり、絵付けを体験できる(予約が確実だが、飛び込みも可)。
転んでも、転んでも起き上がるところから、縁起物とされている(たまに起き上がらないものもあるけど)。
こちらは真っ白ののっぺらぼうを渡され、そこにまた好きなように色を塗っていく。赤べこの反省点を生かし、お手本を無視するぞと決意。
わたしは、わたしを描いた。
わたし、転んでもちゃんと起き上がれる小法師だった。よかった。
(起き上がり小法師にもいろいろある→Okiagari Koboshi project from Europe)
1日のうちに願い事が2つも叶い、大満足。
最終日には、会津若松のランドマーク・鶴ヶ城へ。
復元されたお城だけど、ハリボテっぽくなくてきれいだ。2010年まで天守閣の屋根は黒瓦だったが、現在は、明治時代に解体される以前の赤瓦に。
そして、ここでサプライズが。会津侍 若松っつん!
一度ネットで見て以来、かなり気になる存在だった。リアル若松っつんに会えると思っていなかったので、本当にうれしかった!
ちょっと改まってベタな観光地をまわると、修学旅行気分を味わえる。数年前の旅行で武家屋敷や飯盛山も立ち寄ったが、修学旅行気分で再訪したい。
ちなみに、冒頭で
「現実や、日常から離れたい」
「のんびりしたい」
「リフレッシュしたい」
「おいしいものを食べたい」
「おいしいもの」は大事だから。
どんなものを食べたかは、別でお伝えするぞ。
(信藤舞子/teamまめ)